第3節 災害の現状と対策


  我が国は,その地理的,地形的条件から,地震,豪雨,洪水,豪雪,高潮,津波等種々の災害が発生しやすく,毎年多大の被害をこうむっている。交通機関にとってもそれは例外ではなく,運輸関係施設の被害は 〔3−1−5表〕のとおりである。
  このような災害をできるかぎり未然に予防し,万一災害が発生した場合も早急に復旧作業を実施して国民生活に及ぼす影響を最小限にとどめるため,運輸省,海上保安庁,気象庁はいずれも災害対策基本法に基づく指定行政機関として防災業務計画を定め,災害防止のための施策を鋭意実施している。

  まず,気象情報の面では,気象庁において,台風,豪雨,豪雪その他異常な気象に対する予報,警報等の質的向上を図るとともに,関係機関への情報伝達をより一層迅速化するために気象レーダー観測網の整備等必要な施設,体制の強化を図ったほか,地震予知,火山噴火予知等現在未知の部分が多い分野においても気象庁,海上保安庁が関係機関と協力して,これに必要な研究,観測網の整備を行っている。
  災害予防の面では災害に強い交通機関とするための各種の防災施設整備を図るとともに,担当職員の教育訓練に努めている。
  また,万一災害が発生した場合の対応策としては,迅速に応急対策がとられるよう情報の収集体制を整備するとともに,被害の早期復旧に努めている。
  50年度においては,災害防止技術研究に7億1,900万円,災害予防に232億2,200万円,国土保全に149億3,500万円,災害復旧に22億1,600万円,合計410億9,200万円の防災関係予算を計上して,その対策を推進することとしている。


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