第2節 貨物輸送


  昭和49年度における国鉄の貨物輸送の実績は, 〔I−(I)−5表〕のとおりで,景気の後退に伴う国内貨物輸送需要の低迷に加えて,争議行為,水害,雪害等による輸送障害,運賃改定等のため,輸送トン数において1億5,771万トン,前年度比10.2%減,トンキロで515億8,300万トンキロ,前年度比で10.1%減と大巾に減少した。
  これを品目別にみると 〔I−(I)−6表〕のとおりであり,米,肥料等についてはおおよそ前年度並みの実績であった他は軒並み前年度に比べ減送となっており,とくに自動車をはじめ公共投資減少の影響を強く受けたセメント,砂利,及び木材,鉄鋼,紙,パルプ等は大幅な減送となった。
  また,コンテナの輸送量については逐年着実に伸びてきたが,景気の後退の影響は大きく,1,281万トンと前年度比7.4%減の実績となった。なお,フレートライナーも686万トンと一般コンテナと同様6.7%の減少を示したが,トラック事業者との協同一貫輸送におけるフレートライナーの利用運送量は前年度比3.1%の増加を示し,フレートライナー利用全貨物の36.6%とこれまでの上昇傾向を持続した。
  なお,49年10月運賃改定時にそれまでの一般小口扱貨物が小荷物に統合された。
  また,民営鉄道の貨物輸送は,小口扱が若干増加したほかは概して減少傾向を示した。


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