第4節 港湾環境整備負担金制度等
港湾環境整備負担金制度は,港湾法第43条の5として新たに創設されたものである。その趣旨は,港湾の環境保全の必要性は港湾における諸々の産業活動に起因し,しかもその効果が港湾全体に及ぶものであることに着目し,港湾管理者が実施する港湾の環境の整備に資する港湾工事についてはその費用の一部を港湾区域及び臨港地区内にある工場,事業場等に係る事業者に負担させようというものである。これを受けて昭和49年7月に港湾法施行令の一部を改正し,港湾環境整備負担金制度の基準を定めた。
まず負担金を負担させる事業者については,負担区域内に有する工場又は事業場の敷地面積の合計が1万平方メートルを越える事業者であることを基準としている。また,港湾環境整備負担金の額については,当該港湾工事に要する費用の額の二分の一を原則とし,個々の事業者の負担額は負担区域内に有する工場又は事業場の敷地面積に応じて定められることとなっている。この港湾環境整備負担金制度は地方公共団体の条例の制定をまって実際に運用されることとなるが,港湾の環境の整備又は保全を強力に推進するため,積極的な運用が期待される。
このほか今回の港湾漢施行令の改正では臨港地区内において届出を要する行為の内容として,一定規模以上の工場又は事業場の新増設,港湾管理者の長が推定する規模以上の廃棄物処理施設等の建設又は改良を定めるとともに,水域において建設又は改良に関する工事を行おうとする場合に都道府県知事に対し届出を要する施設として,水域施設,外かく施設及び一定の船舶を係留する係留施設を定める等港湾の管理に関し種々の規定が設けられた。
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