1 外国人旅行者の来訪状況
昭和49年における来訪外客数は, 〔IV−15表〕のとおり,76万4,000人,前年比2.6%の減少となった。これは,同年の世界の国際観光客受人数2.7%減とほぼみあう減少率である。来訪外客の内訳をみると,滞在客は前年比3.9%減の66万1,000人であり,一時上陸客は6.8%増の10万3,000人であった。滞在客のうち,観光の目的で来訪した外客数は前年比9.3%減の40万9000人,業務その他客は6.2%増の25万3,000人であった。
これを構成比でみると,観光客53.5%,業務その他客33.1%,一時上陸客13.4%であった。
近年における我が国への来訪外客数は,万国博覧会開催の翌年の46年を除いて順調に推移してきたが,49年においては,石油危機を契機とした我が国をはじめ主要国における大幅な物価上昇,景気後退等を反映して,対前年比2.6%減と低調に推移した。
また,50年に入ってからの外客の来訪状況をみると,本年も昨年に引続きその影響をうけ,1〜6月の来訪外客数は,前年同期比1%増の36万5,000人にとどまっている。
外客の来訪時期を季節別にみると,毎年夏から秋にかけて多く冬に少ない。旅行関係施設の効果的な利用を図るためにも今後とも冬季の日本の魅力の宣伝,冬季における国際会議や行事の開催等により,来訪外客の増大を図る必要がある。
来訪外客を地域別,国籍別に分類してみると 〔IV−16表〕のとおり,地域別では,北米が全体の41.2%を占め,次いでアジア32.6%,ヨーロッパ18.7%,オセアニア州4.5%の順となっており,北米からの来訪外客数が5ポイント,ヨーロッパは0.5ポイント減少したのに対し,アジアからの来訪外客数は4.8ポイント増加している。
また,地域別宿泊延人員をみると,依然として京浜湘南地域が高く,70.7%を占めている。
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