II 振動


1 振動の対策指針

  51年3月環境庁長官から運輸大臣あて「環境保全上緊急を要する新幹線鉄道振動対策について」の勧告があった。その概要は次のとおりである。
 (1) 新幹線の補正加速度レベルが70dBを超える地域について緊急に振動源及び障害防止対策等を講ずること。
 (2) 病院,学校その他特に静穏の保持を要する施設の存する地域については,特段の配慮をするとともに可及的速やかに措置すること。

2 振動対策

  新幹線鉄道に係る振動対策の当面の措置として,従来から建物に実害のあるものは実状調査のうえ補修等に要した費用の一部を負担するとともに,名古屋及び大阪地区の一部の地盤軟弱地帯で特に振動の著しい地域に存する建物については,移転補償,跡地の買取りに応じてきたところである。
  また,運輸大目は国鉄等に対し,先の勧告の指針を達成するため,振動の発生状況,伝播機構の解明,防振技術の開発等を推進するとともに,騒音の障害防止対策と有機的に連携して,建物の移転,補強等の障害対策の推進に努めるよう指示し,現在,国鉄等において具体的な措置を策定中である。
  なお,障害防止対策の対象とする70dBを超える区域に所在する建物は,約1万戸と見込まれる。


表紙へ戻る 次へ進む