1 自動車損害賠償責任保険


  自動車損害賠償責任保険(以下「自賠責保険」という。)は,自動車事故(人身)の被害者に対する損害賠償の確保を目的とする強制保険であり,被害者の保険会社に対する直接請求制度,保険金支払,保険経理等につき国の関与を確保するための政府の再保険制度等により,社会保障的な保険として国民生活に大きな役割を果たしている。
  自賠責保険の保険金支払限度額は,50年7月に引き上げられたもので,死亡1,500万円,傷害100万円,後遺障害1,500万円(1級)〜56万円(14級)となっている。また,被害者の当座の資金として責任の有無にかかわらず支払われる仮渡金の金額も同じく50年7月に引き上げられたもので,死亡100万円,傷害25万円〜3万円となっている。50年12月には,自賠法施行令の一部改正によって,50年9月1日以降に発生した事故について,後遺障害等級表の適正化を図った。保険金の支払状況は 〔I−(II)−23表〕のとおりである。

  保険加入率は,車検の義務づけられている自動車についてはほぼ100%である。なお,軽自動車については,二輪の軽自動車等以外の検査対象軽自動車は50年9月30日以降はすべて車検を受けなければならないこととなったので加入率の向上が見込まれているが,原動機付自転車については加入率が58.7%(50年度末,責任共済加入車を含む。)にとどまっているので,検査対象外軽自動車ともあわせて,引き続き,街頭取締り,無保険車監視員,保険加入促進PR等により加入率の向上を図ることとしている。


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