3 労働問題


  52年春闘にあたり,私鉄総連は1月25・26日中央委員会を開催し,「従来の中労委依存による賃金交渉終結方式を改め,経営者側との中央集団交渉を重視し自主解決をめざした新しい労使慣行を打ちたてる」ことを今春闘に臨む基本的態度とし機関決定した。これにより例年に比べ約1か月早い2月7日,基本給1人平均2万5,000円引上げ年間臨時給前年度実績に0.3ヵ月上積み等を内容とする賃金要求を民鉄協会および各社に提出した。
  賃金引上げの大手中央集団交渉は3月末までに10回を重ね,指定回答日の4月5日に鉄鋼労連等の民間労組に先がけて経営者側から1万1,500円引上げ,年間臨時給前年同額を内容とする回答を示した。組合側は指定日に回答があったことは評価しつつも,賃上げ額を不満とし,12日以降小委員会による労使交渉を継続したが時間切れで16日始発から大手民鉄はストに突入した。しかし,同日15時30分,基本給1万3,300円引上げ,年間臨時給前年同月数,解決一時金3万円支給することで42年以来9年ぶりで労使自主解決し,ストは収束した。
  また,中小民鉄労組については大手民鉄労組の妥結直後から断続的に解決し,5月末までには全社解決した。
  なお,都市交通労連加盟の労組(9都市の公営鉄軌道)は1人平均2万5,000円引上げ等を要求して4月15日,17日,20日に時限ストを行なった。


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