1 鉄道車両工業鉄道車両製造業者は昭和51年度末現在で15社,関係従業員は約13,000人である。このうち鉄道車両(新造)の年間生産額50億円以上の企業は8社で,総生産額の約90%を占めている。 鉄道車両の生産は,鉄道事業者からの注文生産であるため,生産の波動が大きく平準化ができにくく,また,多種少量生産の労働集約型産業であり,人件費,原材料価格の高騰等の影響を直接受け,経営の近代化を図ることの困難な事業である。 51年度の鉄道車両の生産実績は 〔I−(I)−20表〕のとおり,1,145億円で前年度に比べ22.7%の増加であった。需要先別にみると,国鉄向けは,632億円で前年度に比べ13.2%の増加にとどまった。民需では,219億円で前年度に比べ1.5%の増であった。輸出は,294億円で前年度に比べ84.8%と大幅に伸びた。これは,50年度において大口輸出の成約があったエジプト向け電車110両,キューバ向け貨車300両及びニュージーランド向け車掌車73両の生産等によるものである。
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次に,51年度の鉄道車両等の輸出契約実績は 〔I−(I)−21表〕のとおり,2億7,753万ドルで前年度に比べ75.2%の大幅増であった。輸出の主たるものとしては,ブラジル向け電車,ナイジェリア向け貨車・客車,エジプト向け電車,モロッコ向け電気機関車等であり,中近東アフリカ地域が全体の約44%を占め,大きく伸びている。
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