第3節 権利厚生の増進


  最近の船舶の技術革新の進展の結果,乗組員の減少,船内における精密な監視作業の増加等による船員の疎外感や精神的疲労感が多くなっており,また港湾施設の整備改善により入港時間の短縮の結果,船員が家族を港に呼んで団らんする必要性が増加している。
  このような状態に対応するため,船員が入港時に十分な休憩,宿泊できる福祉厚生施設の整備が特に必要となっており,昭和51年度においては,函館市海員水産会館の宿泊施設並びに洞海海洋会館の福祉施設が新築された。また,船員に対する医療施設では,(社)日本海員掖済会の経営する東京病院の増改築並びに各病院,診療所の医療器具の整備が行われた。
  その結果,52年8月現在,自社施設を含めた国内の船員厚生施設は,宿泊施設399,休憩施設4,授産施設1,養老施設1,福祉施設1となっており,医療施設としては,病院13,診療所25,休養所8,看護婦養成所1となっている。
  また,海外船員厚生施設はカルカッタ及びラスパルマスに宿泊施設各1,シンガポールに休憩施設1がある。
  一方,近年の労働協約改定においては,船員の休暇日数は大幅な増加を示しており,船員がこの余暇を有効に活用して,豊かな労働の再生産を行うための施設が要請される。このため特に青少年船員,女子船員については,青少年船員,女子船員福祉対策基本方針に基づき,船員に対する職業訓練の充実,船内におけるレクリエーション,余暇の有効活用等につき推進を図っている。
  また,船員に対する財産形成促進制度では,51年4月から財形給付金契約を実施している中小企業の事業主に対する助成金の支給並びに,52年4月から,勤労者の持家促進のため個人に建設資金を融資する新しい制度が発足した。

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