1 海洋開発の動向


  海底鉱物資源の開発,用地難による海洋スペース利用の必要性の高まり,さらに,最近における新海洋秩序形成の動き等に対応して各種海洋開発技術の促進が強く要請されている。特に国土が狭隘で,資源に恵まれない我が国にとって海洋開発は極めて重要な課題となっている。
  このような情勢をふまえ昭和52年6月になされた運輸技術審議会の答申「海洋構造物に関する技術的重要事頃とその実施方策」に基づき,大型浮遊式海洋構造物を中心に,船舶技術に基礎をおいた先行的技術開発を推進する必要がある。
  現在推進中の計画は次のとおりである。

(1) 大深度石油掘削船自動位置保持装置の研究開発

  海洋における石油・天然ガスの開発の大深度化の傾向に対処し,水深1,000メートル程度の海域において,石油掘削船を定位置に保持する自動位置保持装置の開発を51年度から5か年計画で推進している。

(2) 廃棄物の海上集中処理と副生資源の有効利用システムの研究

  公害問題,用地難等から,都市廃棄物を海上で処理するための研究を49年度から4か年計画で,環境庁,運輸省,通産省,厚生省の4省庁の協力の下に推進している。

(3) 浮遊式海洋構造物の係留技術の研究

  浮遊式海洋構造物に関連する技術問題の中から基礎的,共通的課題となる係留技術の研究開発を48年度から5か年計画で進めている。

(4) 全天候作業用船舶の研究

  荒天時にも作業可能な半潜水型全天候作業用船舶の研究を52年度から4か年計画で進めている。


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