2 火山活動


  51年度には桜島が活発な活動を示し,爆発総回数は177回で,5月には,噴石と空気振動によって建物の窓ガラスや車のフロントガラスが多数破損したほか,降灰により農作物にかなりの被害が発生した。
  諏訪之瀬島では,ほぼ毎月小爆発があった。
  口永良部島でも4月2日に小爆発があった。
  草津白根山では,8月3日に登山者3名が硫化水素ガスで中毒死した。
  南硫黄島周辺の海底火山は,52年1月以降になって活動的となり,通称福徳岡の場,日吉沖の場,福神岡の場の海域で,しばしば火山活動による海面変色が観測された。
  秋田駒ケ岳では,噴気活動が活発化した。
  浅間山では,2月下旬に火山性地震の群発があった。
  有珠山は,52年8月7日に約33年ぶりに火山活動を開始した。噴火に先立つ約30時間前から活発な地震活動が継続し,その後,激しい噴火があり,噴煙は12,000mの高さにまで上昇し,火口の内外には多量の噴石と灰が降下した。このため,農林関係を中心にじん大な被害が発生した。山体の一部では,地面の隆起やきれつも観測された。この噴火は「1977年有珠山噴火」と命名された。


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