第1節 運輸をめぐる国際協議の動向


  我が国は,各種の国際会議に参加し,運輸問題に関する国際協調の推進に努めている。
  まず,陸上交通問題を討議する唯一の運輸大臣レベルの国際会議である欧州運輸大臣会議には,欧州19か国が参加し,我が国も米国,カナダ,オーストラリアとともに準加盟国として参加している。昭和52年12月に第46回の閣僚理事会がパリにおいて開催され,道路輸送,鉄道の現状等について話し合われた。53年は欧州運輸大臣会議が28年10月発足して以来,25周年目にあたり,ベルギーのブリュッセルにおいて5月30日〜6月2日にかけて記念式典並びに第47回閣僚理事会が開催され,本大臣会議の過去の活動組織等が見直され,今後の役割りについて活発な討論が行われだ。
  国連の地域経済社会委員会の一つであるアジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)の第1回海運運輸通信委員会が52年12月バンコクにおいて開催され,海運,港湾,鉄道等の問題がとりあげられた。これに関連し,53年10月ESCAP主催,日本政府協賛による海運セミナーがESCAP域内10か国から海運実務のハイレベルの専門家等14名の参加を得て東京で開催された。また,53年3月のバンコクにおける第34回ESCAP総会では,第1回海運運輸通信委員会の報告書が承認され,将来計画についての討議等が行われた。
  次に2国間の事務レベル会議としては,52年12月に第10回日米運輸専門家会議が東京において開催され,カナダの代表を加え,都市交通,鉄道技術,大水深港湾について活発な意見,情報交換が行われた。
  また,港湾航路の建設,計画等に関する技術研究を行う国際組織であり国連経済社会理事会の諮問機関となっている国際航路会議協会(PIANC)の常設国際委員会(PIC)総会が,運輸省と同協会の共催で,53年6月6日から9日まで東京において開催され協会の今後の活動に関する討議が活発に展開された。
  一方,貿易活動には,輸送業者をはじめ,商社,銀行,保険等多種多様の事業者が関与し,その事務的経費は貿易額の7.5〜10%にも達するといわれている。このため,現在,欧州経済委員会(ECE)の中に設けられた貿易手続簡易化作業部会を中心に,貿易関係手続の簡易化の作業が世界的な規模で進められており,我が国もオブザーバーとして関係会議に参加している。52年度には,各種貿易関係書類の標準化,貿易関係コードの開発,貿易情報の伝送に係る問題点等についての検討が行われ,アルファベット通貨コード,船名コード,危険物書類等に関する勧告案が採択された。
  また,同じくECEにおいて,自動車構造専門家会議が53年6月にジュネーブで開催され,自動車の構造基準等について国際的協調,情報の交換,討議が行われた。

表紙へ戻る 目次へ戻る