1 航空運送事業


(1) 収支状況及び財務状況

 ア 日本航空

      日本航空(株)の昭和52年度の収支は 〔III−11表〕のとおりである。営業収入は前年度に比べ10.2%増の4,353億7,400万円で,総収入では同11.2%増の4,488億3,700万円となったのに対し,総費用は4,290億2,500万円で,経常段階で198億1,200万円の利益を計上し,税引後利益は81億4,000万円となった。その結果,累積欠損金を消すとともに,4年ぶりに配当を実現するに至った。

      52年度の国際線の営業収入をみると,アジア線,欧州線が好調であったところから,旅客輸送量は329万人(前年度比12.5増),168億8,400万人キロ(同10.7%増)となった結果,旅客収入は2,223億8,600万円(同100%増)と堅調な伸びを示した。一方,貨物輸送については供給力の拡大により,輸送量で10億719万トンキロ(同7.5%増)となったが,収入額では597億6,200万円で前年度と同じとなり伸び悩んだ。
      国内線については,大阪空港への大型機の逐次投入による供給力増強と沖縄路線の好調等により,全体に順調に推移し,旅客輸送量は817万9,000人(前年度比16.8%増)73億8,100万人キロ(同18.3%増)となった。この結果旅客収入は1,133億4,300万円(同16.7%増)となった。一方,貨物は輸送量6,247万3,000トンキロ(同11.1%増)となり,収入面でも65億3,000万円(同4.0%増)となっている。
      日本航空(株)の財務状況は 〔III−12表〕のとおりである。52年度末の総資産は,3,717億円となり,前年度に比し,1.0%の増となった。また,年度末の財務諸比率をみると,自己資本比率16%(51年度末14%),負債比率456%(同545%),固定長期適合率104%(同108%),流動比率92%(同84%)と,前年度にひきつづき,徐々にではあるが改善の方向にある。

      なお,日本航空(株)は,日本航空株式会社法に基づき,政府の監督を受けており,政府としても経営基盤強化のために 〔III−13表〕のように,政府出資,債務保証,政府保有株の後配等の助成措置を講じているが,52年度については,とくに新たな助成は行わなかった。

 イ その他の定期航空会社

      日本航空(株)を除く定期航空運送事業者別の収支状況は 〔III−14表〕のとおりである。

      全日本空輸(株)の旅客輸送量は,1,799万9,000人(前年度比15.2%増),133億400万人キロ(同16.3%増)となった。営業収支については,営業収入が2,318億9,400万円(前年度比15.7%増)であったのに対し,営業費用は,2,215億8,500万円(同16.9%増)にとどまり,経常利益は96億1,700万円(同22.7%増)を計上した。
      東亜国内航空(株)の旅客輸送量は571万8,000人(前年度比19.9%増),26億4,700万人キロ(同21.8%増)となった。営業収入は571億4,900万円(前年度比20.5%増)となったのに対し,営業費用は520億8,700万円(同24.2%増)となり,経常利益は33億4,700万円(同7.2%増)を計上した。
      南西航空(株)は,51年度にひきつづき好調に推移し,52年度の経常利益は7億4,800万円となり,また,日台路線を運航している日本アジア航空(株)も,8億5,400万円の経常利益をあげるに至った。
      一方,日本近距離航空(株)は,営業収入面で改善が図らたものの,経常段階では引きつづき赤字を計上した。
      国内航空運送事業の最近5年間の利益率の推移は 〔III−15図〕のとおりで,52年度の売上高営業利益率,売上高経常利益率は,それぞれ4.9%,4.5%となり,改善の方向に向かっている。

(2) 離島辺地輸送対策

 ア STOL機購入費補助

      47年度より,離島における空港の効率的な利用及び整備に資するため,離島に就航するSTOL機(短距離離着陸機)の購入に要する費用の一部を空港整備特別会計から補助する制度が設けられている。

 イ 特定離島定期航空運航費補助

      STOL機の経済性の低さを考慮し,51年度よりSTOL機を使用して離島航空路線を運航する定期航空運送事業者に対して,補助金を交付する制度が設けられている。


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