2 国民の海外旅行の状況


  我が国の海外旅行者数は 〔IV−12表〕のとおり,所得水準の向上,手軽に利用できる団体旅行の普及等により大幅に増加してきたが,49年に入ってからは石油危機の影響や大幅な物価上昇による消費節約ムードを反映して,海外旅行の手控えがみられ,50年も引き続き不況等の影響を受けて微増にとどまった。51年にはようやく足踏み状態から脱しかなりの伸びを示し,引き続き52年においても対前年比11%増と順調な伸びとなった。また53年に入ってからも堅調に推移しており,国民の海外旅行への志向が根強いことを示している。

  52年における海外旅行者の出国時期を月別にみると,3月と8月がほぼ同数で30万人,次いで2月,11月,9月の順となっている。
  海外旅行者の旅行先を受入地の統計によってみると 〔IV−13表〕のとおり,52年は韓国58万1,000人,台湾56万2,000人,香港48万5,000人でこの3地域で162万8,000人に達した。

  これらの海外旅行者の平均旅行日数は,52年においては8.0泊となり,年年短縮されてきている。
  次に年代別では 〔IV−14表〕のとおり,男性の場合は30代が29.3%(約68万5,000人)と最も多く,女性の場合は20代の占める割合が圧倒的に大きく41.3%(約33万6,000人〉となっている。

  また,60歳以上のいわゆる高齢者の海外旅行については,一生に一度の思い出を残すための記念旅行という要素も強く働いてかなり行われており,52年では男女併せて約25万5,000人であった。
  海外旅行の目的は 〔IV−15表〕のとおりで,観光を目的とする海外旅行者は業務目的の海外旅行者数を上回って年々その割合は増加してきており,52年には前年より0.ポイント増加して全体の83.6%を占めるに至った。


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