1 鉄道車両工業鉄道車両製造業者は昭和53年度末現在で,15社,関係従業員は約12,200人である。このうち,鉄道車両(新造)の年間生産額100億円以上の企業は7社で,総生産額の約90%を占めている。 鉄道車両の生産は,鉄道事業者からの受注に依存しているため,生産の波動が大きく一般的に平準化しにくい業種であり,また,多種少量生産の労働集約型産業であるため,いわゆるマスプロ式の経営の近代化,合理化を図ることの困難な事業である。 53年度の鉄道草両の生産実績は 〔I−(I)−20表〕のとおり,1,400億円で前年度に比べ17.3%の増加であった。需要先別にみると,国鉄向けは新幹線車両の取替新造もあって1,010億円(構成比72.1%)で前年度比29.3%と大幅に増加したが,民需は207億円(構成比14.8%)で前年度比4.9%,輸出は184億円(構成比13.1%)で前年度比5.8%とそれぞれ減少した。 次に,53年度の鉄道車両・部品の輸出契約実績は 〔I−(I)−21表〕のとおり,2億3,656万ドルで,前年度に比べると66.9%増と大幅に増加したが,52年度は51年度に比べ大幅に減少しており,特に鉄道車両の大幅な減少が目立った。鉄道車両についてみると、53年度の契約実績は52年度に比べると47.2%増加したものの51年度に比べると62.5%減少している。その原因としては,52年秋以降定差した円高による価格競争力の低下に加え,東欧諸国,一部中進国等の国際市場攻勢のほか,開発途上国におけるプロジェクト計画のおくれなどが考えられる。輸出契約車両の主なものは,エジプト向け電車160両,コスタリカ向け貨車70両等である。
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