3 自動車販売の現状
自動車販売事業は,大別すると,メーカー,取扱車種別に系列化されている新車販売事業と,整備事業との兼業が多い中古車販売事業に区分できる。
新車販売事業においては,従来よりディーラー間の激しい販売競争が恒常化しており,自己資本過少や,割賦販売台数の増加による資金ひっ迫等と相まって,苦しい経営状況におかれている。そのため,過当競争を防止し,流通秩序の維持を図っていく必要がある。
一方,中古車販売事業においては,企業規模の零細性・資本金過少,あるいは,消費者保護が万全とはいい難く業界に対する信頼度がやや低いといった問題をかかえており,業界全体の近代化を図るとともに,消費者保護体制を確立する必要がある。
新車販売事業における流通秩序維持を図るためには,新車販売時に下取りする中古車の価格を適正に査定することを主たる目的とした中古自動車査定制度が運営されてきたが,従来の査定基準が実用性に乏しかったため,54年4月,これを実用的なものに改定するとともに,新車販売に関係なく買取られる中古車についても制度の対象として加えることにより消費者の保護を図ることとした。
また,中古車販売事業の近代化については,52年2月近代化計画が告示され,56年度末までに,常設オートオークション場の設置・流通センターの併設等の施策を推進し業界の近代化・合理化を図ることとなった。
そして,これら近代化施策の推進母体として各都道府県に商工組合が設立されており,現在すでにその数は40に達している。
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