3 自動車整備の充実
自動車の安全性を確保し,かつ,排出ガス,騒音等の公害の防止を図るため,自動車の使用者に対して,運輸省令で定める技術上の基準により定期的に自動車を点検し必要な整備を行うことを義務付けており,自動車排出ガス規制の強化等に伴い同基準の改正を行う等点検内容の充実に努めている。
自動車分解整備事業は,自動車の普及に応じて約7万7,000の工場が全国的に散在しているが, 〔I−(II)−23表〕に示すように小規模工場が多く,労働集約的な業種であるため生産性の向上が難しく,事業経営は厳しい条件下におかれている。更に,公害の発生,高速道路網の整備自動車構造の複雑化等周囲の情勢も変化している。これらの現況から自動車の安全確保,公害防止を図るという業界に要請される社会的役割を十分果たしていくために,中小企業近代化促進法に基づく構造改善計画により自動車分解整備業界の企業経営等の近代化を促進し,整備事業の経営基盤の確立を図るよう指導してきている。
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今般,これまで推進してきた人材養成,システムの開発等の知識集約化事業に企業の協業化,共同化,業務提携等の経営規模の適正化を目的とする企業集約化事業等を加え,総合的な構造改善計画を54年7月から60年3月末を目標に推進することとし,環境適応力の高い企業体質への改善に努めているところである。
自動車の整備技能の向上を図るため自動車整備士の技能検定を実施しており,その合格者数は年々増加し,自動車分解整備工場における整備要員約38万人中に占める比率は,53年度において70%に達している。
指定自動車整備事業制度は,自動車分解整備工場のうちから優良な設備,技術及び管理組織を有し,所定の検査設備と自動車検査員を有する事業場を陸運局長が指定する制度で,この事業場で所定の整備及び検査を行った場合には,継続検査の際の現車提示が省略されることとなっている。
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