1 廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約
1972年6月,ストックホルムで開催された第1回国連人間環境会議は,海洋汚染の問題を重要問題の1つとして取り上げ,海洋投棄規制に関する条約の作成を勧告した。これを受けて,同年10月から11月にかけてロンドンで国際会議が開かれ,同年11月に「廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約」が採択された。
本条約は,船舶,航空機等からの陸上発生廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染を防止することを自的とし,そのために各国がとるべき措置等について定めており,条約本文と3つの附属書からなっている。このうち条約本文は規制の内容を,附属書Iは投棄禁止物質を,附属書IIは投棄に特別許可を必要とする物質を,附属書Vは特別許可又は一般許可の発給基準を定める際の考慮事項をそれぞれ定めている。その後,78年10月には,附属書の一部が改正され,洋上焼却についても規制されることになった。本条約は75年8月に発効し,79年11月1日現在の批准国は43ケ国となっている。
我が国としては,同条約の早期批准を図ることとしておりすでに国内法化のための準備作業も終了している,
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