第2節 国内航空輸送


  国内航空輸送については,札幌,東京,大阪,福岡,那覇の各都市を結ぶ幹線を運航している航空会社として,日本航空,全日本空輸,東亜国内航空(東京〜札幌,東京〜福岡線のみ運航)の3社がある。また,ローカル線を運航している航空会社として,全日本空輸,東亜国内航空,南西航空(主として沖縄県内各島間を運航),日本近距離航空(主として離島路線を運航)の4社がある。
  昭和53年度の我が国の国内航空輸送は,極めて好調であった52年度に比べ,伸び率は若干鈍化したものの 〔III−8表〕, 〔III−9図〕のとおり,堅調に推移し,輸送人員は3,710万1,000人(前年度比12.8%増),輸送人キロは269億1,949万人キロ(同13.9%増)となった。

  輸送人員を幹線,ローカル線別に見ると,幹線のうち輸送力の強化及び座席利用率のアップのあった沖縄関係路線は依然好調な推移を見せたものの(前年度比19.0%増),二大路線の東京-大阪,東京-札幌線の伸びが比較的低調であったため,前年度比9.0%増の伸びに終わった。これに対し,ローカル線は国際線の成田への移行に伴う羽田関係路線の増便及び新規路線の開設があり,また,座席利用率も若干伸びたことから前年度比15.2%増と前年度に引き続き高い伸びを維持した。
  貨物輸送量は 〔III−10表〕のとおり,輸送重量24万902トン(前年度比18.8%増),トンキロ2億836万トンキロ(同23.9%増)と引き続き好調であった。幹線,ローカル線別では幹線が全体の約7割を占めているが,53年度の場合ローカル線が高い伸びを見せている。
  定期路線の新たな開設については,53年度中に長崎沖縄線,宮崎-沖縄線(以上全日本空輸),名古屋-高知線,大分-長崎線,鹿児島-松山線(以上東亜国内航空),那覇与論線那覇粟国線,那覇北大東線(以上南西航空),稚内-礼文線(日本近距離航空)の計9路線に対し免許が行われた。

  このほか,既設路線のダブルトラッキング化(2社により運営されること)については,東京大分線,名古屋-仙台線(以上全日本空輸),東京-函館線東京-熊本線,東京-鹿児島線(以上東亜国内航空)の計5路線に対して免許が行われた。
  また,プロペラ機就航路線のジェット化は引き続き進められ,53年度中に熊本宮崎線(全日本空輸)にB-737型機(126席)が,松山-宮崎線(東亜国内航空)にDC-9型機(128席)が,那覇宮古線(南西航空)にB-737型機(130席)が投入された。


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