第4節 造船技術開発上の今後の課題


  回復のきざしは見えるものの,依然として低水準である船舶の建造需要,豊富で低廉な労働力を背景とした新興造船国の台頭等により,我が国造船業は困難な時期を迎えている。
  我が国は,これまで世界の主要造船国として重要な役割を果してきたが,引き続きその地位を保持していくためには,より技術集約的な造船業に移行していく必要がある。
  一方,エネルギー資源をめぐる情勢の変化から,世界的に石油消費の節減と石油代替エネルギーへの転換が進められつつあり,我が国としても,石油代替エネルギーを含めエネルギー資源の安定供給の確保及びその効率的な利用を図る必要にせまられている。
  これら種々の要請を考慮した今後の技術開発課題として,船舶におけるエネルギー消費の一層の節減及び石炭等石油代替エネルギーの利用技術の開発,石油精製法等の変化に伴う船舶用燃料の低質化対策,小人数での運航を可能とする自動化・省力化技術の開発,海底資源開発用船舶に関する技術開発,海洋スペースを有効に利用するための海洋構造物の技術開発等,多岐にわたった検討が必要である。

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