4 東京国際空港の沖合展開
東京国際空港の沖合展開計画は,現空港における騒音問題を抜本的に解消し,あわせて国内航空交通の拠点としての機能を将来にわたって確保するためのものである。運輸省は,53年12月4日,東京都が廃棄物処理場としている羽田沖埋立地を有効活用することにより,前記課題を解決できるという試案をまとめ,東京都知事に提示した。この試案で示した将来計画は,現空港の沖合にC'滑走路(3,000メートル)を新設するとともに,更に沖合を埋め立てて新ターミナル及びC'滑走路に平行するD滑走路(3,000メートル)を新設し,現在のB滑走路(2,500メートル)と合わせて3本の滑走路を整備することにより,60年代前半に限界となる離着陸処理能力を,現在の17万回から24万回に向上させるというものである。
この計画のねらいは次の5点である。
@ C滑走路を移設し,更に滑走路を沖合に1本新設することにより,現在騒音問題の原因となっているC滑走路の北側への離陸,北側からの着陸及びB滑走路の北側への離陸を原則として取り止め,騒音問題を抜本的に解消すること。
A 離着陸処理能力を現在の約17万回から24万回程度まで同上させることができ,長期にわたって国内航空の拠点としての機能を確保すること。
B 現在の空港帯地の一部を開放し,都市施設整備のために有効に利用すること。
C 廃棄物の埋立地に新しい滑走路と空港ターミナル施設を建設することにより,廃棄物処理事業と空港整備の両立を図ること。
D 羽田沖合に建設される東京湾津道路と空港を直接結ぶことによって,空港周辺市街地の通過交通をなくし,交通混雑等自動車による公害を大幅に緩和すること。
本計画の推進に当たっては,港湾,道路,廃棄物処理計画等,関連計画との整合を図る必要があり,現在,検討を進めている。
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