4 環境影響評価の推進
大規模な事業の実施前に環境影響評価を行うことが公害の防止及び自然環境の保全上極めて重要であることは,我が国のみならず国際的にも共通の認識となっている。
運輸省所管の事業等に係る環境影響評価に関しては,従前より公有水面埋立及び港湾計画についてはそれぞれの個別法の手続の際に,また新幹線鉄道については54年1月の「整備五新幹線に関する環境影響評価の実施について」の運輸大臣通達に基づいて環境影響評価を実施してきている。また,空港整備については東京国際空港沖合展開,関西国際空港建設に関し環境影響評価を実施するとともに,その他飛行場についてもその推進を指導してきている。
(統一的手続を定めた環境影響評価実施要綱の策定)
環境影響評価法案は,先の第101回国会への再提出が見送られたが,これに伴い政府としては行政ベースで環境影響評価の統一的手続の策定等所要の措置を講ずることとし,59年8月28日の閣議において環境影響評価実施要綱を決定した。
本実施要綱の対象となる運輸省関連の事業は,@鉄道の建設及び改良,A飛行場の設置及びその施設の変更及び,B埋立及び干拓の事業で,規模が大きく,その実施により環境に著しい影響を及ぼすおそれがあるものとして運輸大臣が環境庁長官に協議して定めるものとされており,これらの事業に関して,事業者が,@環境影響評価準備書の作成(調査の実施),A準備書の周知(公告,縦覧及び説明会),B準備書に関する関係住民及び関係都道府県知事の意見の把握,C環境影響評価書の作成,D評価書の公告,縦覧及び免許庁等への送付の手続を行うこと等が定められている。
運輸省としては,本閣議決定を受けて速やかに関連事業等に関する環境影響評価制度を確立する等実施要綱に基づく環境影響評価手続等の速やかな実施を図ることとしている。
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