2 トンネル開通に伴うサービス改善


(1) トンネル開通のメリット

 (青森〜函館間の所要時間半減)
  第一は,時間短縮効果である。津軽海峡を横断するための所要時間は,青函連絡船が3時間50分であったのに対し,鉄道では,青森〜函館間で1時間59分となった。第二に,連絡船と鉄道の乗り継ぎなしに,遠距離の直通運行が可能となったため旅客,貨物とも乗り換え,積み替えの不便が解消するとともに,接続待ち合わせに要する時間の短縮も可能になった。旅客の上野〜札幌間の到着時間を比較すると,10時間52分となり,従来の13時間18分に比較し,2時間以上短縮された。貨物の東京〜札幌間でも17時間03分となり,従来の21時間20分に比較し,4時間以上の短縮となった。第三に,トンネル開通以前の海上輸送等が天候の影響を受けたのに対し,天候に影響されない安定的な輸送が可能となり,本州と北海道との一体感が強まった。第四に,ダイヤ編成の自由度が増し,フリークェントサービスの向上,輸送力の増強が可能となった。特に,貨物においては,発時刻の繰り下げによる集荷時間の拡大,市場入荷に有効な到達時刻の設定等の利便性の高いダイヤの設定ができることとなった 〔2−1−2表〕

(2) トンネル開通を契機とした各種サービスの充実

 (豪華特急列車も出現)
  トンネル開通を契機とした,総合的な利用しやすいダイヤの編成,車両のアコモデーションの改善やデラックス車両の導入,カートレイン・モトトレインの運行,海底駅の設置等の関連サービスの充実も合わせて行われている。また,貨物輸送機器についての開発も進められており,例えば,JR貨物では,マイナス25度からプラス25度の範囲で生鮮品を一定温度に保ったまま輸送できる「クールコンテナ」システムの営業が札幌から東京向けの片道体制であるが,63年9月15日から開始されている。


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