北海道におけるシーニックバイウェイ制度の導入の背景
1.北海道の現状
(1)第6期北海道総合開発計画 (4)人気が高い北海道旅行 (7)乗用車での移動が主流
(2)北海道の取組み (5)北海道を支える観光産業 (8)観光目的の移動台数の増加
(3)豊かな自然環境に恵まれた北海道 (6)自然景観やドライブ目的の観光が人気 (9)ドライブ観光を促すスタンプラリー
(1)第6期北海道総合開発計画
 北海道総合開発計画は、北海道開発法に基づいて策定されており、現在は平成10年から概ね10年程度を目標とした第6期目の計画となっています。この中では、以下のとおり、環境保全や観光振興に関する施策を展開することとしています。


■北海道開発の基本理念

「国の内外に開かれ自立する北海道の実現」

「恵まれた環境や資源に誇りを持って次世代に引き継ぐ北海道の実現」

「多様な生活や文化を享受できる安全でゆとりある北海道の実現」

■施策推進の基本方向

@地球規模に視点を置いた食糧基地を実現し成長期待産業を育成する施策

A北の国際交流圏を形成する施策

B北海道の美しさ雄大さを引き継ぐ環境を保全する施策

・恵まれた自然環境の保全

・森林、農地、河川、湖沼、海域の有する環境保全機能の維持向上

・環境への負荷の少ない循環を基調とする地域社会の形成

C観光・保養など国民の多様な自己実現や交流の場を形成する施策

・国民の多様な自己実現に対応した余暇・生活空間の形成

・個性的な農山漁村と都市との交流の促進

・多様性や個性を尊重する文化の展開

・アイヌ文化の振興等と生活環境等の向上

D安全でゆとりある生活の場を実現する施策

(2)北海道の取組み 頁topへ
1)北海道美しい景観のくにづくり条例の制定

新たな世紀を迎え景観に関する関心の高まりつつある中で、北海道では平成11年3月に策定され

た「北海道景観形成基本計画」に基づき、平成13年10月に「北海道美しい景観のくにづくり条例

」が制定されました。また、平成14年12月には「北海道美しい景観のくにづくり基本計画」が策

定され、地域主体の景観づくりや道民、事業者、市町村などの協働と連携による景観づくりが進めら

れています。

北海道の美しい景観のくにづくり基本計画「5つの基本方針」
(1)道民活動の推進 (4)公共事業に係る景観づくりの推進
(2)地域主体による取組の推進 (5)専門家の知識等の活用
(3)広域景観づくりの推進
2)北海道美しい景観のくにづくり条例の制定
 観光産業を北海道経済のリーディング産業とすることを目指し、平成13年10月には「北海道

観光のくにづくり条例」、平成14年3月には「北海道観光のくにづくり行動計画」が策定されま

した。このように北海道では観光に関する施策が、北海道活性化に向けて展開されています。
「北海道観光のくにづくり行動計画」観光振興に向けた行動指針
(1)自然を生かした取組の推進
(2)食を生かした魅力アップ
(3)あたたかく迎える受入体制の整備
(3)豊かな自然環境に恵まれた北海道 頁topへ
北海道は良質な自然に恵まれており、国立公園の面積は全国の約1/4を占めています

北海道の自然公園は、国立公園が6箇所、国定公園が5箇所、道立自然公園が12箇所となっ
ています。
(4)人気が高い北海道旅行 頁topへ
北海道は、東京圏において行ってみたい観光地第1位となっています。

国民の旅行先ニーズとしても第1位となるなど国内でも非常に高い人気を誇る観光地です。
(5)北海道を支える観光産業 .頁topへ
北海道の観光客の多くは、観光に伴って宿泊やお土産の購入など、観光に係わる消費をしていま
す。平成11年の観光消費額は全道で1兆2,163億円と、昭和63年の8,608億円に比べ約1.4倍に増え
ており、北海道の基幹産業ともいえます。
また、平成11年における生産波及効果は、1兆4,441億円の生産誘発効果と4,332億円の家計迂回
額を合わせて約1兆9,000億円弱の経済活動を生み出していると推定されていいます。
北海道観光のくにづくり行動計画においては、来道観光客を平成19年度には500万人から80
0万人へという目標を掲げ積極的な観光振興を提唱しています。自治体調査においても約7割が
観光施策と他の施策を同程度に重点をおいています。
(6)自然景観やドライブ目的の観光が人気 頁topへ
北海道における旅行目的は、景観、温泉・保養、ドライブなどが上位になっています。特に、道
外観光客は、景観を楽しみにしている割合が高くなっています。北海道は雄大な自然に恵まれ
ドライブを目的とした観光が人気を集めています。

北海道内における旅行目的/H12北海道開発局資料  今後希望する北海道旅行スタイル/H12北海道開発局資料

(7)乗用車での移動が主流 頁topへ
道内を周遊する観光客の交通手段として、道内客の約8割、道外客の約2割は自家用車やレンタ
カーを利用して道内を周遊しています。また、レンタカーの台数が年々伸びていることからも、
北海道での旅行者が乗用車での移動を主流としていることがわかります。
(8)観光目的の移動台数の増加 頁topへ
観光を目的とした休日における乗用車移動台数の割合が平成6年と比べ、平成11年には約1.
4倍に増加しています。
(9)ドライブ観光を促すスタンプラリー 頁topへ
北海道「道の駅」スタンプラリーの参加者は、年間50,000人にも上っています。全道各地を回れ
ばたくさんのスタンプを得ることができるこのキャンペーンは、ドライブ観光の振興に一役買っ
ています。

「道の駅」スタンプラリー参加者数/「道の駅」連絡協議会資料