交通事故被害者ノート
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c被害者と家族交通事故にあったら、医療機関等の受診をおすすめします。軽傷であっても治療費等の請求には医師による診断が必要となります。また、出血を伴った負傷等がない場合であっても、頭部外傷等により高次脳機能障害※が残ったり、脳脊髄液漏出(減少)症※を発症することもあるため、心当たりがある場合には、早めに専門医療機関へ相談してみましょう。自動車事故により脳を損傷し、重度の意識障害が継続する状態(遷延性意識障害※)にあり、治療と常時の介護を必要とする方を専門に治療・看護を行う療護施設(療護センター及び委託病床)が、ナスバにより、全国12か所に設置・運営されています。これらの療護施設への入院期間は概ね3年以内となり、入院の承認は、治療及び介護の必要性、脱却の可能性等を総合的に判断して行われます。(連絡先等:p.60参照)病院には、医療ソーシャルワーカー(MSW)という専門職が「医療相談室」や「地域連携室」等に配置されている場合があります。MSWは患者やご家族の心理的・社会的・経済的問題の解決の支援や退院(転院)、社会復帰の支援などを行っています。9)医憲機関の受診2)憲護綸設(遷延性意識障害専門の病院)3)医療ソーシャルワーカー(MSW)18 ※高次脳機能障害とは、外傷性脳損傷などの後遺障害として記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などを伴う障害です。具体的には、以前と比べて忘れっぽい、落ち着きがない、ぼ一つとしているなど症状はさまざまですが、外見からは分かりにくい障害であり、事故からしばらくして日常生活に戻った頃に症状に気づくこともあります。各都道府県の高次脳機能障害支援拠点機関では、高次脳機能障害に関するさまざまな問題について、障害のある方や家族等からの相談に応じ、課題解決のために必要な支援を行っています。(連絡先等:p.53□57参照)※脳脊髄液漏出(減少)症とは、脳脊髄液の漏出により、頭痛、めまい、吐き気、倦怠感などのさまざまな症状が現れる病気です。現在、研究が進められているところですが、平成28年4月に保険適用となったプラッドパッチ療法や水分補給、安静にすることが有効な治療法と言われています。※遷延性意識障害とは、自力移動・摂食、意思疎通、意味のある発語が不可能など重度の意識障害のことです。|c-1.ケガをしたときC.撼書奢と家族について

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