交通事故被害者ノート
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c被害者と家族L.-----• •----------------• •----------------• •----------------• •----------------• •----------------• •-------------• •ー----------------•ー----------------•ー----------------•ー----------------•ー----------------•ー----------------•ー----------------•ー---------r ••----• •----------------• •----------------• •----------------• •----------------• •----------------• •-------------• •ー--------•ー--------•ー--------•ー-------•ー-------•ー-------•ー-------•ー----―’コラム⑧「高次脳機能障害について」0地域とともに人と人との繋がりは心を優しくしてくれます。そして生きる力忍勇気をくれます。決してあなたは1人ではない。25 なかなか受け入れにくく日常生活に困難をきたし、社会生活を送る苦しみがのしかかってきます。命が助かり現状を受け入れながら令を生きていく高次脳機能障害者と家族が様々な機関や病院など支援者とともに連携し高次脳機能障害者が生き生きと暮らしていける社会は、すべての人が暮らしやすい社会です。〇息子が交通事故に遭ってていく…、若いと言うことだけが唯一の希望でした。意識が戻り寝たきり状態を覚悟していた家族でしたが、右上下肢に麻痺は残りましたが約半年後、退院することが出来ました。しかし現実は日常生活に戻ることは難しく、あれだけ元気でスポーツ馬鹿だった息子は、体は疲れやすく、自分が合どこにいるのか自分は何歳で、含まで出来ていたことが出来なくなり言葉もはっきり出ず、イライラは募るばかりでした。当然、私たち家族も退院すれば体に麻痺は残ったものの、元の元気な息子に戻ると1言じていました。しかし現実は厳しく、脳という人間にとって一番大切な機能が障害を受けていました。言葉を思うように発することが出来ない、自分の思いを伝えることが出来ない、話が理解できないなど、家族は「どうして?」、この子はどうなったのだろうと不安が募るばかりでした。当時は高次脳機能障害と言う文言は使われておらず、医師からの説明も理解できませんでした。〇出逢い退院はしたものの身体機能の回復も完全ではなく、まだまだリハビリが必要な息子でしたが復学もままならず、通院先の言語聴覚土の先生からの情報で、県外ではあるけれども交通事故で脳を損傷した人たちを診ている病院が有ると教えていただき藁にもすがる思いで出かけました。まだ1人で行動することが出来ない患子の体を支えながら隈外の病院へ。そこでのドクターの一言「なんとかしなければ。お母さん一緒に頑張ろうね」辛く苦しむ家族に対して心ある言葉いま思い出しても涙が出てきます。ここでの機能訓練、生活訓練が今ある患子を育ててくれたと思っています。記憶が出来ない、言葉が上手く出てこない、話の内容が分からないと悩んでいた時期もありました。会息子は障害者雇用枠で一般就労をしていますが記憶障害が顕著に出ています。「自分は記憶することが難しいので、自分の障害を伝え助けてもらっている」と自ら周りの人に声をかけています。「患子よ、元気に笑顔を見せてくれ」母はあなたの笑顔に救われます。0その後今、高次脳機能障害の相談窓口は地域に根ざしてきています。高次脳機能障害者となった息子は住み慣れた場所で生活していくため、近隣の方たちに障害があることを伝えています。地域の行事には積極的に参加し、コミュニケーションを取るよう努めています。まだ、困ったことがあれば周りに助けを求めることを伝えています。「あなたは決して1人ではない、多くの人が支えてくれいる」と息子には伝えています。この事は、当事者家族にも言えることです。1995年9月15日「お母さん今から帰るからね」これが健常者としての息子の最後の言葉でした。健康だけが取り柄の16歳の患子が生死の境をさまよいながらベッドに横たわっていました。自転車で帰宅途中の息子がまさか意識のない息子を命があることだけを祈りながら一日一日と時が過ぎ199了年、脳を損傷した人たちをどう守り、支えていけば良いのか家族は病院で出逢った仲間とともに脳外傷友の会を設立、2000年全国組織の日本脳外傷友の会(現在の日本高次脳機能障害友の会)を設立、国への働きかけで「高次脳機能障害支援モデル事業」が始まり、全国に高次脳機能障害支援センターが開設されました。NPO法人日本高次脳機能障害友の会監事古謝由美ある日、突然の事故で脳が傷つき高次脳機能障害と言う目に見えない障害を負った当事者と家族は現実を※コラムの内容は令和4年11月現在のものになります。

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