交通事故被害者ノート
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c被害者と家族r·•ー-•ー-•ー-•ー-•ー-•ー-•ー·• ----------1 NPO法人日本頸髄損傷LifeNet理事長徳政宏一コラム④「自立生活に向けて」『00さんは良いよね手が動くから』『外出も出来るし』『結婚してるし』私は生活を安定させて就職もして、子ども達に父親が車いすだからと後ろ指を刺されないように、自暴自棄『生きる事・諦めない事』をいつも思って下さい。26 ※コラムの内容は令和4年11月現在のものになります。35歳の秋、家族で乗っていたワンボックスカーが横転事故を起こした。これが全ての歯車が狂い始めた瞬間です。当時は子どもが小さく、i可とか頑張らないといけない。そんな気持ちだったと思います。しかし自動車事故は私から体と家族、全てを奪っていきました。当時の私は自立生活を勝ち取る為に努力しました。私みたいに頸髄損傷した方の多くは自立生活にまで至らず、施設での生活やリハビリが何らかの理由で出来ず、本来勝ち取れる機能を勝ち取れず自立生活が出来なかった。そういう方々が沢山リハビリ病院にはいらっしゃいます。から脱却して単身、リハビリ病院に転院しました。早く帰りたい一心で毎日毎日朝早くから夕方まで、リハビリも決められた時間以外は自主トレして一日中リハビリしてきました。私たちは簡単に合の機能が備わっていたのでは無く、日々、厳しいリハビリに耐え、生きる事を決意して積み重ねてきました。そうして掴み取った力です。しかし、私のようなリハビリをする人はそんなに居ません。年齢も性別も体力も障害もバラバラな方々がリハビリ病院にはいらっしゃいます。リハビリは単に機能回復だけでなく、誤解を含めて社会的自立、生活の自立が目的です。本人は勿論ですが、ご家族の勉強も重要になります。諦めない事を私はよく話しますが、『もうだめ』『ど一せ』と諦めた時点で前には進めません。諦めない事は毎日毎日大変な事ではありますが、積み重ねて行く事だと私は信じています。その為にも沢山ある制度をしっかり聞いて、調べて、漏れの無いようにするのも自立生活への一歩となります。機能を回復させる事は確かに必要ですが、より近くに被害者団体、家族会、自動車事故対策機構もあります。しっかりと情報を集める努力もリハビリの一つだと思っています。

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