政府保障事業に関すること
Q1.政府保障事業債権とは、どのような債権でしょうか?
A1.自動車損害賠償保障法第5条の規定に基づき、自動車を運行する場合に締結する必要がある自賠責保険(共済)を締結せずに自動車を運行し、人身事故を起こした場合には、本来であれば自賠責保険(共済)から事故の被害者に対して保険金(共済金)が支払われることになりますが、これを締結せずに運行した場合には、自賠責保険(共済)の保険金(共済金)が支払われません。
そのため、事故の被害者は、十分な救済を受けることができないことから、国が、自動車損害賠償保障法第72条の規定に基づき、事故の加害者にかわって、被害者に対して事故による損害にかかる治療費、慰謝料等の保障金(以下「損害のてん補」といいます。)を支払う政府保障事業があります。
政府保障事業により、被害者に対して損害のてん補を行った場合には、自動車損害賠償保障法第76条の規定に基づき、被害者が損害賠償の責任を持っている者(加害者等)に対して持っている権利(損害賠償請求権)を国が取得し、求償することとされています。
Q2.納入告知書が送達された時点で既に、納付期限(履行期限)が過ぎているのですが、どうしてでしょうか?
A2.納入告知書では、国が被害者に対して損害のてん補を行った日(保障金を被害者に支払った日)を納付期限(履行期限)としています。
Q3.政府保障事業債権を弁済しないまま放置しておくと、どうなりますか?
A3.政府保障事業債権について弁済をしない場合には、政府保障事業債権の債務者を相手に国が損害賠償請求訴訟を裁判所へ訴えることになります。
その後、裁判所での判決結果に従い、政府保障事業債権の債務者が所持している自動車、土地や建物、債務者が給与所得者であれば雇用主より支払われている給与等について差押えを実施し、強制的に政府保障事業債権の回収を行うことになります。