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貸切バス事業者の皆さまへ ~軽井沢スキーバス事故を受けた対策について~

 平成28年1月15日に長野県軽井沢町で発生したスキーバス事故を踏まえ設置した「軽井沢スキーバス事故対策検討委員会」において、再発防止策について徹底的に検討し、「安全・安心な貸切バスの運行を実現するための総合的な対策」がとりまとめられました。
  貸切バス事業者の皆さまにおかれましては、このような悲惨な事故を二度と起こさないためにも、貸切バスにおける法令遵守の徹底と安全運行の確保を心掛けていただくようお願い申し上げます。
 

FAQ(よくあるご質問)

1.事業許可の更新制について
2.適正化事業実施機関について
3.運転者に対する指導監督告示について
 (1) 一般的な指導及び監督
 (2) 安全運転の実技
 (3) ドライブレコーダーの記録を利用した指導監督
4.ドライブレコーダーの性能要件等について
5.運行管理等のありかたについて
 


1.事業許可の更新制について

Q1 更新制はいつから開始されますか。
A1  平成29年4月1日から開始されます。既存事業者の更新については、平成29年4月1日から平成34年3月31日までの間に順次行っていきます。具体的な順番についてはQ2をご確認ください。

Q2 既存事業者の初回更新日はどのように決まりますか。
A2  恣意性を排除し、事業者に対する平等性、公平性を確保する観点から、既存事業者の初回更新については、許可を受けた年の西暦下一桁を基準として更新の順番を決めることとします(平成29年2月省令改正予定)。
例:2001年1月6日に許可を受けた事業者は、平成33年(2021年)1月6日まで事業許可が有効
 
Q3 自分の更新の期限はどうやったら知ることができますか。
A3  更新の期限は全事業者に対して通知する予定です。また、事業者ごとの更新期限を国土交通省のホームページに掲載するとともに、運輸局においても公示を行う予定です。

Q4 更新の申請にはどのような書類が必要ですか。
A4  原則として新規事業許可申請時と同様の書類が必要となりますが、更新時には一部書類の提出を省略することができます。詳細については以下のURLから申請書をダウンロードしてご確認ください。

Q5 安全投資計画と収支見積書は新規事業許可申請時にも必要ですか。
A5  新規事業許可申請時にも必要となりますので、申請様式を確認の上、提出してください。

Q6 更新時に安全投資計画・収支見積書が履行されていないことが判明した場合はどうなりますか?
A6  次回申請時に、十分な根拠資料の提出を求めたうえで、安全投資計画を重点的に審査することになります。
 

2.適正化事業実施機関について

Q1 負担金はいつから徴収されることになるのですか。
A1  適正化機関の巡回指導業務開始の時期と同じく、平成29年夏頃から負担金を徴収することを想定しております。

Q2 バス協会に加入している事業者であっても負担金を納めるのですか。
A2  負担金は、適正化機関が巡回指導等の経費に充てるために徴収するものであり、原則全ての事業者が負担金を納付する必要があります。
   ただし、適正化機関がバス協会に加入している事業者に対する巡回指導をバス協会に委託する場合はこの限りではありません。

Q3 負担金はいくらになりますか。
A3  負担金の額については、事業年度毎に、適正化機関が大臣の認可を受けて定めることとなっています。具体的な額については、地域毎に差が生じることとなりますが、全国平均で営業所1カ所あたりで試算すると約14万円、バス1台あたりで試算すると約2万円となります。
 
Q4 負担金を納めない場合にはどうなりますか。
A4  負担金を納めない場合には、国が納付命令を行い、それでも納めない場合には、許可取消を含む行政処分を課すこととなります。
    (参考:2月に改正予定の処分基準(案)
     負担金等の納付命令違反
     初違反:60日車、再違反:許可取消

Q5 巡回指導はどのような頻度で行われますか。
A5  巡回指導は、原則年1回、全ての貸切バス事業者の営業所に対して実施します。

Q6 巡回指導ではどのようなことを確認しますか。
A6  巡回指導では、国の行う監査に準じて、点呼等の運行管理や車両の整備管理の状況、運賃料金収受の状況等、貸切バスが安全に運行するために必要な項目全般について確認することを予定しております。

Q7 巡回指導を拒否した場合にはどうなりますか。
A7  巡回指導を拒否した場合は、その行為自体が行政処分の対象となります。更に、その場合には、適正化機関から巡回指導を拒否したことを国に通報し、国自らが監査を実施し、監査で確認された法令違反と併せて行政処分が行われます。

Q8 バス協会が実施している適正化コンサルティング事業との違いは何ですか。
A8  適正化コンサルティング事業はバス協会が法令遵守状況をチェックし改善を指導する会員向けのサービスです。一方、巡回指導は全ての事業者に対して法令遵守状況を確認し、悪質な事業者については国に通報する仕組みであり、国の監査機能を補完するものです。
 

3.運転者に対する指導監督告示について

(1) 一般的な指導及び監督

Q1 車種区分は、「一般貸切旅客自動車運送事業の許可及び事業計画変更許可申 請の処理について」(平成 11 年 12 月13日付自旅第 128 号、自環第 241 号)と異なるのか。
A1 当該車種区分は、「一般貸切旅客自動車運送事業の許可及び事業計画変更許可申請の処理について」(平成11年12月13日付自旅第128号、自環第241号)と同一の車種区分を指しております。

Q2  「従来乗務していた事業用自動車と制動装置又は変速装置の操作性等が著し く異なる事業用自動車」とはどのような事業用自動車か。
A2  運転者が従前より運転している事業用自動車と、メーカー、車齢等が異なることにより、ブレーキ又はシフトチェンジの操作性等が異なる事業用自動車を指します。
例えば、車齢であれば、20年程度異なればブレーキ又はシフトチェンジの操作性等が大きく異なるとの意見を、自動車メーカー、学識経験者等から頂いております。

Q3  安全性の向上を図るための装置とはどういった装置を指すのか。
A3 衝突被害軽減ブレーキ、車線逸脱警報装置その他の先進技術を利用して運転者の安全運転を支援する装置(ASV装置)を指します。

Q4  安全性の向上を図るための装置のうち具体的にどのような装置について指導 しなければならないのか。
A4 運転の安全の確保のために必要と考えられる装置については、指導を行って頂く必要があります。特に、以下に掲げる要件に合致する装置については、それぞれ必要な指導を行って頂く必要があります。
  ➀ 衝突被害軽減ブレーキなど、「走る」「曲がる」「止まる」の3要素について、運転者の操作とは別に操作を行う装置については、当該装置がどのような機能を有するかを説明し、運転者が過信や誤った活用を行わないよう指導することが必要です。
  ➁ 車線逸脱警報装置や車間距離警報装置等の、運転者に対して警報を鳴らす等により注意喚起をする装置については、当該警報が鳴る条件等を説明し、それを踏まえて適切な運転ができるよう指導することが必要です。
  ➂ その他、保安基準に規定されていない、安全性の向上を図るための装置については、必要に応じ、運転者がそれら装置を適切に活用できるよう当該装置の性能・使い方等を指導することが必要です。

Q5 国は、事業者が特別な指導の座学や実技を行う場合に、その内容をわかりやすく示したマニュアルを作成しないのか。
A5 初任運転者・事故惹起運転者への指導内容は、基本的に一般的な指導・監督の内容と重複しているため、一般的な指導及び監督で使用する実施マニュアルを活用可能と考えております。また、ドライブレコーダーの記録を利用した具体的な指導及び監督方法につきましては、別途マニュアルを作成しております。
   実技の実施時については、基本的には告示に規定されている内容を実施して頂き、詳細については事業者に判断して頂くこととしております。

Q6 急ブレーキの訓練はなぜ行わなければならないのか。
A6 自動車メーカー、学識経験者等より、「急ブレーキは日頃より訓練を行っていないと、とっさの際に十分な早さ、強さでブレーキペダルを踏み込むことができない」との意見をいただいているところです。

Q7 「停止状態の訓練用自動車を用いても差し支えない。」とあるが、静止状態で急ブレーキの訓練を行うことに意味はあるのか。
A7 自動車メーカー、学識経験者等より、「静止状態で急ブレーキを操作する場合を想定してブレーキを大きく踏み込む訓練は、急ブレーキに関する咄嗟の操作の訓練として有益である」ご意見をいただいているところです。

Q8 静止状態で急ブレーキの操作の方法を指導する場合には、どのような方法によりどの程度指導すべきか。
A8 訓練1回毎に、静止状態の貸切バスのブレーキを何度か大きく踏み込んで頂くことを想定しております。当該訓練は、反復的・継続的に行うことに意義があるとされていることから、少なくとも、1か月に1回程度を目安に行って頂く必要があります。
 
(2) 安全運転の実技

Q1 実技訓練の実施時間は20時間行えば十分か。また、20時間の実技訓練を行ってもなお、運行の安全が確保されない運転者に対してはどのようにすればよいのか。
A1 今般の改正は、一般貸切旅客自動車運送事業者において、運行の安全の確保に必要な実技に関する指導の徹底を期するものです。したがって、一般貸切旅客自動車運送事業者は、運転者の技量を見極めつつ、運行の安全の確保に支障がないと認められるまで当該運転者に対して実技に関する指導を継続して実施して頂く必要があり、20時間の実施では必ずしも十分ではないことに留意が必要です。

Q2 直近1年間にどの程度の運転経験があれば、特別な指導は必要ないのか。
A2 当該事業者において乗務しようとする貸切バスと同一又はそれより大型の車種区分の貸切バス又は高速乗合バスについて、直近1年間に20時間以上の運転の経験又は実技訓練の経験を有しており、かつ、当該事業者が運行の安全の確保に支障がないと認める場合には、特別な指導は必要ありません。

Q3 乗合バスの運転者が貸切バスを運転しようとする場合には、特別な指導は必要なのか。
A3 乗合バス(高速乗合バスを除く。)と貸切バスは運行形態や車両の構造上の特性が異なることから、特別な指導を実施して頂く必要があります。一方、高速乗合バスについては、こちらをご参照ください。

Q4 普段運転している乗合バスと同じバスを貸切バスとして運転する場合であって、かつ、運転経路や時間帯も普段運転しているものと大きく変わらない場合でも特別な指導を行わないといけないのか。
A4 このような場合には、例外的に特別な指導を要しないこととします。
 
Q5 同一グループ内で異動した運転者についても、特別な指導を行わないといけないのか。
A5 今般の改正趣旨は、各事業者に対して、運転者の技量を確認し、安全確保について問題がないと判断した後に運転者を乗務させることを求めるものです。
   このため、事業の譲渡、合併等において、新たな事業者においても各運転者の技量を継続的に把握できており、安全確保について問題ないと判断出来る場合は、特別な指導は必要ありません。
   一方、グループ会社間での異動や在籍出向については、異動先・出向先において運転者の技量を把握できていないと考えられるため、原則として特別な指導は必要です。ただし、毎年決まった時期に出向し、出向先の事業者で20時間以上の運転を行っている場合など、例外的な事例については、この限りではありません。

Q6 大型の貸切バスを運転していた運転者が、中型の貸切バスに乗務する際は実技訓練を行わないといけないのか。
A6 直近1年間に当該一般貸切旅客自動車運送事業者において、20時間以上の運転の経験(実技訓練を受けた経験を含む。)のある貸切バス又は高速乗合バスより小型の車種区分の貸切バスに乗務しようとする運転者に対しては、指導・監督を行う必要はありません。
 
Q7 乗務しようとする貸切バスと同一又はそれより大型の車種区分の高速乗合バスを、直近1年間に20時間以上運転していた者であっても、実技訓練が必要となる場合はあるのか。
A7  例えば、都市間運行のみを行っており、山間部や隘路の運転経験が不足している運転者であれば、それらの経験が不足している運転経路に係る実技訓練を行っていただく必要があります。いずれにしても、事業者が、運転者について安全の確保に支障がないと認められるまで必要な訓練を行っていただくことが不可欠です。

Q8 どのような事業者が、雪道や夜間の実技訓練を行う必要があるのか。
A8 例えばスキーバスの運転者や豪雪地帯の運転者など、雪道における運転技術を確実に求められる運転者に対しては、事前に雪道の実技訓練が必要です。夜間運行については、夜間の運行を行う可能性がない事業者を除き、原則として行うことが必要です。
 
(3) ドライブレコーダーの記録を利用した指導監督

Q1 ドライブレコーダーの記録を利用した指導監督とはどういったものか。
A1 一般的な指導及び監督においては、以下の内容を行っていただきます。
   ➀ ドライブレコーダーの記録を利用して普段の運行状況を確認させる。
   ➁ 記録により運転者に自身の運行状況・特性を把握させ、是正する。
   ➂ 事故・ヒヤリハットや好事例を共有し、指導する。
   また、初任運転者等に対する特別な指導における実技訓練の実施の際には、以下の内容を実施して頂く必要があります。
   ➀ ドライブレコーダーの記録で運転者に自身の運転内容を確認させつつ実施する。
   ➁ 事故惹起運転者に対しては、事故時のドライブレコーダーの記録を確認させた上で実施する。

Q2 事故が発生した場合、相手方の運転者に過失がある場合であっても、ドライブレコーダーの記録を利用した指導及び監督を行う必要があるのか。
A2 一層の安全性確保のため、当該事業者の運転者に過失が全くないような場合であっても、「事故を避けるために実施すべきことはなかったか」等の観点から検討を行い、必要に応じて指導を行ってください。
 
Q3 ヒヤリ・ハットの収集は必ず行わなければならないのか。
A3 ヒヤリ・ハットの収集は努力義務です。ただし、運転者等からヒヤリ・ハットの報告があった場合には、ドライブレコーダーの記録を確認し、社内での情報共有等の必要な措置を講じてください。
 
Q4 これから購入する貸切バスについては、ドライブレコーダーを設置しなければならないのか。
A4 こちらをご参照下さい。
 
Q5 既に備えているドライブレコーダーは買い換えなければならないのか。
A5 こちらをご参照下さい。

Q6 既にドライブレコーダーを備えている場合は、いつから一般的な指導及び監督並びに特別な指導を行うのか。
A6 ドライブレコーダーを設置している場合には、ドライブレコーダーの記録を活用した指導及び監督を行って頂く必要があります。ただし、運転者席用のカメラが装着されていない等により、指導及び監督を行うために必要な情報が得られない場合には、この限りではありません。(ただし、平成31年12月1日以降は、要件を満たすドライブレコーダーを設置して指導及び監督を行って頂く必要があります。)

Q7 ドライブレコーダーはどの位置に設置しなければならないのか。
A7 前方用カメラについては、車両中心線上に設置することを想定していますが、前方用カメラ、運転席用カメラとも、指導及び監督に必要な映像を取得できる場所に設置していただければ結構です。
 
Q8 ドライブレコーダーの記録の確認箇所や時間の目安はあるのか。
A8 事故等を起こした運転者に対する一般的な指導の場合には、当該事故と関連性の高い運転経路及び時間帯の映像(例:高速道路で追突しそうになった運転者であれば、高速道路の映像を2か所)を2か所以上確認して指導内容が反映されているかを確認して下さい。確認する映像の時間は、1か所あたり3分を目安にして下さい。
   初任運転者等に特別な指導を行った場合には、高速道路、坂道、隘路、市街地、駐車場等の映像を、特別な指導の際に把握した運転者の運転特性も踏まえて、5箇所程度確認してください。確認する映像の時間は、1か所あたり3分を目安にして下さい。
 
Q9 一般的な指導及び監督並びに特別な指導の効果の確認のため、運行管理者等が添乗により運転者の安全運転に係る技能や知識の確認を行っているが、ドライブレコーダーの記録による確認も行わなければならないのか。
A9 一般的な指導及び監督並びに特別な指導の効果の確認は、ドライブレコーダーの記録又は添乗その他の適切な方法により行うこととしており、添乗による確認でも問題ありません。(ただし、当該添乗による確認は、特別な指導の終了後、乗客を乗せた状態で行っていただく必要があります。)

Q10 特別な指導の座学の実施時間が6時間から10時間になるが、増加分はなにを行えばよいのか。 
A10 平成28年施行時点では、告示における特別な指導の座学の実施時間は「6時間以上」のままとしておりますが、内容の増加分の指導は確実に行って頂くことが必要です。また、平成29年12月より、これらに加えてドライブレコーダーの記録を利用した指導を行う場合に、合計の実施時間を「10時間以上」と規定しております。
    したがって、ドライブレコーダーの記録を利用した指導について4時間以上の実施を義務付けるものではありません。
 
Q11 専ら指導及び監督の用に供する自動車(訓練車)を用いる場合には、ドライブレコーダーを備えていないといけないのか。
A11 特別な指導において、訓練車を用いる場合は、平成31年12月以降(新車の場合には平成29年12月以降)は、ドライブレコーダーを備える必要があります。
 
Q12 特別な指導の実施後、どのタイミングでドライブレコーダーの記録を確認すればよいのか。
A12 特別な指導を実施してから2週間以内にドライブレコーダーの記録を確認していただくこととしておりますが、当該運転者が2週間以内に乗務する機会がなかった場合には、2週間経過後、最初の運転のドライバーの記録を確認し、適切な運転が行われているかを確認してください。

 
4.ドライブレコーダーの性能要件等について
 
Q1 どのようなドライブレコーダーを装着するのか。
A1 貸切バスに装着するドライブレコーダーは、以下の情報を記録(本告示の第2条第1項の記録)できなければなりません。
   ➀ 自動車の前方の映像
   ➁ 運転者の映像
   ➂ 瞬間速度
   ➃ 加速度(一定の要件を満たすものに限る)
   ➄ 車線逸脱警報等の警報音
   ➅ 日付及び時刻
   また、各情報を記録するドライブレコーダーの具体的な性能要件は告示の本文でご確認ください。

Q2 いつまでに装着しないといけないのか。
A2 装着義務付けについては、本告示及び「旅客自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針」(告示)の経過措置に基づき、以下のとおり装着が必要となります。
   ➀ 平成29年12月1日以降に新規登録した新車は全て装着
   ➁ 平成29年12月1日より前に新車新規登録を受けた車に新たに取り付ける場合は平成31年12月1日までに装着
 
Q3 既に取り付けているドライブレコーダーはどうなるのか。
A3 平成29年12月1日より前に既に装着されているドライブレコーダーであり、Q1回答の➀~➅ができるものについてはその性能によらず、平成31年11月30日まで使用できます。また、平成31年12月1日からは一部の性能要件を除き、平成36年11月30日まで使用できます。なお、➀~➅の記録ができないものについては、平成31年11月30日までに買い換え等行っていただく必要があります。

Q4 基準を満たしているドライブレコーダーかどうかを、どのように確認すればよいのか。
A4 どの機器が告示の規定を満たしたものであるかは、当面は機器メーカーにお問い合わせください。

Q5 常時記録は全て保存しないといけないのか。また、イベント記録の保存は義務か。
A5 常時記録を全て保存する必要はありません。
   ドライブレコーダーは乗務中の間等、常時記録をすることしておりますが、その保存については、指導監督に使用したものに限ります。
   また、イベント記録の活用は義務ではありませんが、イベント記録を指導監督に使用した場合には、常時記録と同様、指導監督に使用した記録を保存する必要があります。

Q6 運転者用カメラは、必須なのか。
A6 運転者への指導監督には、運転者の挙動を把握することが必要であることから、運転者用カメラは必須です。
   なお、運転者のプライバシーへの配慮については、事業者において、映像を確認する場合を個人ごとの指導監督に使用する場合にのみに限定する等の工夫を必要に応じてご検討ください。

Q7 瞬間速度はアナログ式運行記録計に記録された速度から把握してよいか。
A7 アナログ式運行記録計の瞬間速度をドライブレコーダーの記録にかえることはできません。
事故やヒヤリ・ハット等の指導監督においては、運行状況をドライブレコーダーにより適確に把握することが重要であるため、映像、瞬間速度は時刻で同期させる必要があります。

Q8 瞬間速度はGPSを用いて取得してよいか。また、自動車の速度計をカメラで撮影することで記録してもよいか。
A8 瞬間速度は、車速パルス、GPS等、特定の取得方法を定めてはおりませんが、走行中常時記録できることや記録が時刻と同期すること等が必要になります。(例えば、トンネルにより記録が継続されない場合には、要件を満たしません。)
   また、瞬間速度記録計を備えることに代えて、道路運送車両の保安基準(昭和26年運輸省令第67号)第46条の規定に適合する速度計を運行中常時カメラにより撮影し、当該情報を記録することでも差し支えありません。

Q9 「広く一般的に用いられている再生用ソフトウェア」とは何か。
A9 「広く一般的に用いられている再生用ソフトウェア」とは、ドライブレコーダーの専用の分析ソフト以外の、無償で容易に入手可能な再生用ソフトウェア(メディアプレイヤー等)になります。
   このため、ドライブレコーダーは、上記再生用ソフトウェアで再生可能なファイル形式(AVI、MPEG-4、JPEG、Web-M等)で記録を作成及び保存できる必要があります。

Q10 「外部からの書き込み、消去等の処理を防止する機能」とはどのようなものか。
A10 以下に該当する機能を有するドライブレコーダーは、第九条第三項に規定する要件を満たしているものとして差し支えありません。
    ➀ 記録媒体の取出しを施錠等の物理的手段により制限する機能
    ➁ 記録装置内部の取り外しの出来ない記録媒体に常時記録を保存する機能
    ➂ 自動通信により、外部の記録装置に常時記録を保存する機能

Q11 具体的に必要な耐久性はどの程度のものか。
A11 保安基準に適合するデジタル式運行記録計と一体型のものは必要な耐久性を満たしていることとします。
ドライブレコーダー単体の機器の耐久性が十分かどうかについては、自社の運行形態等を機器メーカーに説明し、その運行に耐えうるか確認してください。また、1ヶ月に1回等、定期的に適切に映像が記録されているかを確認するなどのメンテナンスを行うことも重要です。
 
5.運行管理等のありかたについて

Q1 今回の制度改正で、点呼についてはなにが変わるのか。
A1 これまでも実施を義務付けていた[1]乗務前点呼、[2]乗務後点呼、に加え、[3]夜間・長距離の運行時に電話等による乗務途中点呼を行うことを義務付けています。
 
Q2 どのような運行を行う場合に乗務途中点呼が必要なのか。
A2 貸切バスの運行が運行指示書上、下記のいずれにも該当する場合、運行途中に電話その他の方法による点呼を行ってください。
  ・実車運行する区間の距離が100km以上の運行
  ・実車運行を開始する時刻若しくは実車運行を終了する時刻が午前2時から午前4時までの間にある運行又は当該時刻をまたぐ運行
   ※実車運行:旅客の乗車の有無に関わらず、旅客の乗車が可能として設定した区間の運行をいい、回送運行は実車運行には含まない。
 
Q3 乗務途中点呼を実施する場所、タイミングについて、規定されているのか。
A3 貸切バスの乗務途中点呼の実施場所、タイミングについては、運行の実態により異なると考えられるため規定しませんが、一般的には、運行途中の休憩時間等に、サービスエリア等において行うことを想定しています。また、運転中に電話その他の方法により点呼を行ってはなりません。
 
Q4 交代運転者が同乗している場合、乗務途中点呼は交代前後それぞれの運転者に対して行う必要があるのか。
A4 夜間・長距離の運行を行う貸切バスに交替運転者が同乗している場合、当該交替運転者に対しても乗務途中点呼の実施が必要です。
    なお、運転者が運行管理者、補助者としても選任されている場合であっても、自ら点呼を行ったり、互いに点呼を行ったりすることはできません。
 
Q5 「貸切バス委託型管理の受委託」により高速乗合バス路線の運行を受託する貸切バスについても、夜間・長距離の運行を行う場合には乗務途中点呼を行う必要があるのか。
A5 「貸切バス委託型管理の受委託」により高速乗合バス路線の運行を受託する貸切バスについては、乗務途中点呼を行う必要はありません。
   なお、貸切バス、高速乗合バスともに、一定の距離を超えた運行の場合には昼夜を問わず運行途中の体調報告を義務付けているところです。
 
Q6  既に実務経験によって貸切の運行管理者資格者証を取得しているが、どうしたらいいのか。引き続き運行管理者として選任されるためには、あらためて試験による取得が必要なのか。
A6 あらためて試験を受ける必要はありません。平成28年12月1日時点で有効な運行管理者資格者証については、実務経験により取得したものであっても、今後も有効であり、運行管理者や補助者として選任することができます。
   なお、乗合バス、タクシー、特定については、平成28年12月1日以降も実務経験による資格者証の取得が可能です。
 
Q7 実務経験による資格者証の取得はいつまで可能か。
A7 実務経験による貸切の資格者証の取得について、平成28年11月30日までに申請いただいたものについては、資格者証を交付します。
 
Q8 運行管理者の必要選任数はどのように変わるのか。
A8 営業所で運行を管理する貸切バスの台数に応じ、平成29年12月1日以降、下記の人数以上を選任する必要があります
  39両まで   2人
  40両~59両 3人
  60両~79両 4人 など

Q9 車両数も少なく、限定的な運行しか行わない営業所であっても、運行管理者を2名選任しなければならないのか。
A9 営業所で運行を管理する貸切バスの台数が4両以下で、地方運輸局長がバスの種別、地理的条件等を勘案して安全確保に支障を生ずるおそれがないと認める営業所については、1名の選任で足りることとしています。
   個別の判断については最寄りの運輸局、運輸支局にお問い合わせください。
 
Q10 補助者の選任を届け出る際には、どのような書類を添付する必要があるのか。
A10 補助者の選任届出にあたっては、[1]運行管理者資格者証若しくはその写し、[2]貨物の運行管理者資格者証若しくはその写し又は[3]基礎講習を修了したことを証する書類 を提示するとともに、補助者に選任しようとする者が運行管理者資格者証の返納命令を受け欠格期間中でないことを申告してください。
    届出の様式については、解釈運用通達 別添の様式例を参考にしてください。
 
Q11 既に補助者として選任する者についてはいつまでに届け出なければならないのか。
A11 平成28年12月1日時点で選任している補助者については、平成29年1月31日までに届出を行ってください。

お問合せ先

(代表)03-5253-8111
  事業許可、運賃・料金、適正化機関について  : 自動車局旅客課(内線 41255)
  運行管理制度、監査、処分基準について     : 自動車局安全政策課(内線 41623) 

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