国土交通省は、基準の策定・認証・検査を担当する開発途上国の実務者を招聘し、自動車  基準・認証・検査制度の充実のために必要となる人材の養成を行うことを目的として技術協力を実施しています。

特に、近年アジアの諸国においては、WP29への関心が高まり、実際に参加する国や加盟に向けての検討を始める国が出てきていることから、APEC、アジア官民会議等の場を通じ、同じアジアの国としてこれまでの経験を活かしてこれらの動きがさらに活発になるよう貢献していくこととしています。

 

行政官研修の実施

 

1)目的及び経緯

「自動車基準・認証制度整備協力事業」

基準の策定・認証・検査を担当するアジア各国の実務者を招聘し、自動車基準・認証・検査制度の充実のために必要となる人材の養成を行うことを目的としています。

人材の養成は継続して行うことが有効であることから、平成12年度より5年間継続して実施することとしています。

POINT構成国(フィリピン、インドネシア、タイ)に対し、平成14年度から「基準・認証コース」の受入定員の拡大(各国1名→2名)及び新たに「検査整備コース」(各国1名)を設置して実施しています。

2)参加国(前回)

  インドネシア、タイ、フィリピン、ヴィエトナム、中国、マレイシア

3)これまでの成果

・キャパシティー・ビルディング

・人的交流関係の構築

4)今後の予定

平成15年7月末から2週間実施予定

 

 

APEC/RTHPへの参加

 

1)目的及び経緯

RTHPは、APEC(アジア太平洋経済協力)運輸ワーキングにおける豪によって提案されたプロジェクトの1つ。1994年に活動を開始し、APEC域内における自動車の基準の国際調和を推進することを目標としており、自動車及び同部品の基準・認証の調和の可能性、手法等の調和を目指しています。

・わが国も、自動車基準認証国際化研究センター(JASIC)が同プロジェクトの調査・コンサルタント業務を請負など、積極的に貢献しています。

1995年11月のAPEC大阪首脳会議において採択された「大阪アクションアジェンダ」において、UN/ECEとの対話への関与を推奨し、適切な国際フォーラムの下で自動車に係る規制の調和に向けて努力することが決定されています。

2)参加国

  日本、韓国、中国、香港、台湾、米国、(カナダ)、(メキシコ)、タイ、フィリピン、シンガポール、(マレイシア)、インドネシア、(ブルネイ)、オーストラリア、(ニュージーランド)、(パプアニューギニア)、(チリ)、(ロシア)、ベトナム、(ペルー)の21か国及び地域

   注)( )は第21回会議に欠席したエコノミー

3)これまでの成果

コンサルタントを利用し、主な技術基準について調査・解析、機能同等性の調査

APEC域内で使用している認証制度の調査

APEC地域各国における基準・認証に係る調和要件を策定

4)今後の予定

平成15年4月、シンガポール又はその周辺での開催を予定。

 

  

アジア官民会議の開催

 

1)目的及び経緯

アジア官民会議は、58年協定のECE規則採用で基準の調和及び認証の相互承認を実現することを前提に、アジア開発途上国の自動車環境・安全問題の解決のために必要とされている、基準・認証制度の整備に関する官民における情報提供及び意見交換を行うことを目的として1998年からJASICとともに開催している国際会議です。 

2)参加国

インド、インドネシア、中国、韓国、シンガポール、タイ、台湾、フィリピン、ベトナム、香港、マレイシア、日本

3)これまでの成果

・第1回(東京)、第2回(北京) 自動車の基準調和のあり方について

・第3回(東京) 基準調和と認証の相互承認の実現に向けた行動計画策定について

・第4回(バンコク) WP29への参加の実現と拡大について

・第5回(クラルンプール)、第6回(ジャカルタ) WP29への参加を阻害する要因及びその解決策について

・第7回会合(マニラ) 基準調和及び認証の相互承認の具体的課題

(第7回会合 報道発表資料

4)今後の予定

平成15年10月、ベトナム ハノイでの開催を予定

 

「参考」

JASICについて

自動車基準認証国際化研究センター(Japan Automobile Standards Internationalization Center)は、自動車基準・認証制度の国際統一化を図り、自動車に係る国際摩擦の解消及び自動車・自動車部品の生産の合理化、認証・検査手続きの簡素化に寄与するとともに、開発途上国における自動車基準・認証制度の改善に積極的な対応を行っています。