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「トラガール促進プロジェクト」はトラガールを目指す女性の道しるべとなるとともに、経営者等に新しい視点を提供し、業界のイメージ改革を図るための取組です。

サービス/製品一覧コラム トラガールへのカウンセリング

2016年2月15日

診断イメージ

 前回は、全体的な特徴からさらに掘り下げて、男女で比較的違いが見られた項目について、見てみました。
 今回は、女性ドライバーへのカウンセリングについて、見ていきましょう。


○女性ドライバーとお話させていただいて感じたこと
 【ナスバの女性カウンセラーより】

 【その1】「運送業界での経験豊か」な、40歳代の女性でした。新たな会社で、これまでにも経験のある4トン車に乗務するため初任診断を受診されました。

 「左後方の死角など、よく確認することを、特に意識している」と、ベテランならではの運転上の注意のポイントをあげられました。適性診断結果で思い当たることとして、危険を認識した後の対処行動が遅れがちだったと振り返っていらっしゃいました。受診時のコンディションについて、「寝起きの頭がぼんやりした状態で、万全でなかった。普段は、運転する3時間前には起床し、メイクをしたり、朝食を食べたり、家事をしたりしながら、ゆっくりと目を覚まして、コンディションを整えることを習慣にしているが、この日は、乗務の予定がなかったために、起き抜けの状態で来てしまった」と反省しておられました。
 この仕事においては、心身の準備をする充実した時間の使い方が安全の確保につながると自覚し、実践されており、これまでのキャリアで培われた自己管理能力の高さが垣間見えました。
 職業ドライバーとして、大切だと考えることについてお伺いしたところ、「交通パートナーに対して、待つことや譲ることを、常々実践している」とのことでした。無事故を継続していることから、今後も思いやりのある運転を続けていきたいとおっしゃっていました。また、社員同士で顔を合わせるときには、お互いに気持ちよく仕事したいとのお考えから、明るく挨拶を交わすように心がけていらっしゃるそうです。これまでの経験を糧に、自分らしさを大切にし、細やかな心遣いで、安全と活気ある職場の風土づくりに貢献されているご様子に、頼もしさが感じられました。

 【その2】運送会社で働くのは初めての方です。

 「どうしてトラックドライバーの仕事を選ばれたのですか」と尋ねたところ、「小さいときから『働く車』が大好きで、ダンプを運転していた近所の女性に憧れて“自分もなりたい!”と思い、大型免許を取得しました。私の夢だったのです」と明るくはきはきと答える前向きな方でした。
 「初めは2トン車から、だんだんレベルアップして10トン車に乗務できるように頑張りたい」と目標もしっかりお持ちでした。
 診断項目の『注意の配分』では右を見がちで左の注意が不足する時があるとの結果について、「狭い道では対向車を意識して右を見てしまいがちだが、トラックは左に死角が多いし、左折の内輪差での巻き込みもあるので、これからは左の確認をもっと意識した運転をしていきたい」と話してくださいました。
 また、『判断動作のタイミング』が早いという結果について、「慌ててしまったり、早合点してしまったりすることがある。そんな時にも危険を回避できるように『常に〇〇かもしれないと危険を予測した運転』で周りに気を配っている。歩行者・自転車の飛び出し等に特に注意し、速度を出し過ぎないように、車間距離を十分に取るようにしている。また他車の運転を見ていてヒヤッとすることがたくさんあるので、それを教訓に自分の運転を振り返るようにしている」と話してくださいました。
 様々な場面での確認の方法を話している時の表情は真剣そのものでした。
 面談を終えて帰られる際、「明日から仕事なんです。それに今度フォークリフトの免許も取るんですよ」と話される時の表情は、先ほどとちょっと違ってとてもうれしそうでした。
 今後も、多くの女性ドライバーの活躍に期待したいと思います。

○女性ドライバーへのカウンセリングにおいて共通すること

 カウンセリングを受けた多くの女性ドライバーの方々は、安全運転に対する意識が高く、明るく前向きに仕事に取り組まれていたように思います。
 このような姿勢は社内の安全運転の意識高揚にも繋がるものであり、女性ドライバーの活躍によって、運送業界全体の安全意識が更に向上することとなるかもしれません。
 独立行政法人自動車事故対策機構のカウンセラーは、今後も、女性ドライバーの活躍を応援するため、安全運転のためのカウンセリングに力を入れていきます。

  次回は、女性ドライバーに対するアンケートについて掲載を予定しております。


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