子供の頃、大きなダンプに乗っている女性ドライバーをみて、あこがれを持ち、それ以来トラックドライバーになろうと思っていました。
当時は女性を採用している会社も少なかったのですが、就職活動を続け、19歳の時にドライバーとして採用されました。
運行に出てしまえば常にひとりなので、荷物の積卸しをすべて終えたときなど、「ひとりでやりきった」という達成感があります。
早い日は、朝3時に出発します。また、2泊3日の宿泊運行を行うこともあります。宿泊運行時はトラックのキャビンのベッドで寝るのですが、職業病なのか、私は自宅のベッドよりも車内のほうがぐっすり寝られます。
最近は趣味のパン作りや刺繍などをして過ごしています。また、水泳が得意で、小さい頃はオリンピック選手を目指していました。また泳ぎたいな、と思っています。
以前の会社で、関東から大阪までの荷物を運び終わった後に、帰り荷を積むためにそのまま広島に向かうよう指示されたことがあり、さらに遠くに行くのか・・・と思うと、どっと疲れてしまいました。
また、大型トラックに乗務し、10kgを超えるような食品類のダンボールを、真夏に大汗をかきながら積卸ししていた時期もあったのですが、大変でした。
好きでやっている仕事なので、悩みはありません。かつては女性ドライバーを敬遠するような納品先の方もいらっしゃいましたが、私が納品にうかがってから、そういうことがなくなったという例もあります。
もともと車間距離には気をつけるなどしていましたが、コンテストに取り組んでいく中で、安全に対する意識は一段と強くなりました。
優勝については、家庭や職場に支えてもらった結果だと思います。昔から勉強はあまり得意でなかったのですが、学科試験も「やればできる」とわかりました。
交通安全のために、ゆくゆくは社内で指導・教育をするような仕事をしていきたいです。
▲ドラコンのトロフィーや賞状は棚に飾られている
ドラコン優勝という実績の通り、運転技術は確実です。荷主様から「松本さんに運んでほしい」とリクエストがくることもあるくらいです。
また、彼女のドラコン優勝を契機として、社内にドライバー・コンテストを創設し、安全運転を競う場を立ち上げました。こうした場で、全国大会の優勝者として彼女に体験談を語ってもらうなどしており、安全指導に関する活躍の場が増えてきていますね。
トラック運送業界は、かつては「3K」といわれることがありましたが、今は積卸しもパレット・フォークリフトであったり、労務管理もきっちりと行われていたりと、以前のイメージほど重労働ではなくなりつつあり、女性も活躍しやすくなりつつあると思います。
当社での採用については、これまで「女性」を明確にターゲットにした求人はしてこなかったのですが、営業所前に「ドラコン優勝」の垂れ幕(写真)を設置しましたし、またここ厚木営業所では比較的軽量な荷物が多いので、これからの採用増を期待しています。
当社では20年ほど前から、女性ドライバーが在籍していました。もともと男女の区別なく採用しており、その文化・考え方は変わりません。
求人の条件には男女差を設けず、しかし体力差を勘案して業務内容を考慮するようにしています。
また、更衣室など女性用設備は以前から整っており、育児休業・短時間勤務・母性健康管理・セクハラ防止などの社内規程も設けています。
物流業界は、男社会のイメージが根強く、男女の体力差は否めないものの、逆に女性ならではの視点に立った行動が、取引様から評価されることもあります。
また、女性の物腰の柔らかさの様な雰囲気が、お届け先様との関係性を良好なものにしてくれている場面も多く、それで救われることも多々あります。
女性の活躍のためには、女性を特別扱いするのではなく、男性も女性もお互いを補える関係性や、尊重し合える関係性が、会社の風土としてあることが大事ではないでしょうか。
トラガールの軌跡 |
「トラガールの軌跡」では、実際に活躍しているトラガールの皆さんや、経営者の方にお話をうかがい、仕事のやりがいや女性活躍に向けた工夫等を紹介しています。 「トラガールの軌跡」一覧はこちら |
国土交通省自動車局貨物課
TEL : 03-5253-8575
FAX : 03-5253-1637
■募集中!■
「トラガールの軌跡」へ出演を希望されるトラガールを募集しています。 (自薦・他薦不問です!)