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「トラガール促進プロジェクト」はトラガールを目指す女性の道しるべとなるとともに、経営者等に新しい視点を提供し、業界のイメージ改革を図るための取組です。

Vol.32 「会社は家族」たくさんの笑顔に囲まれて突き進むトラガール  

鈴木 祐子さん   株式会社マイシン(愛知県豊橋市)


 東三河を中心に「ひまわり便」の愛称で日用品・食料品等の配送を行っている株式会社マイシンでは、本社営業所20名・浜松営業所4名もの多くの女性ドライバーが在籍しており、お互い助け合いながら和気あいあいと頑張っています。

 入社して約1年半の鈴木さんは憧れの先輩トラガールの姿を目指して常に変わらぬ笑顔で日々邁進しています!

○AT免許しか無かったけど

 以前は製造・販売の仕事で接客をしていました。
 ただ昔からトラックを見て「女の人がコレに乗ってたらカッコイイんだろうな」って思ってて、私の周りでは女性のドライバーはいなかったですけど。

 結婚して今まで乗るきっかけも無く、免許もATしか無くて諦めてたんですがハローワークの募集で「AT限定可」と書いてあったので「行こう!」と思ってここに来ました。

 決め手になったのは会社のHPを見たらすごい前向きな感じがして。
 私「邁進する」「成長する」っていうの好きなんですよ。
 あと会社の雰囲気ですよね「笑って働ける会社なんだろうな~」って。

○AT限定解除+リフト免許も取得!

 入社してすぐは2tの小さいトラックに乗せてもらってて、それがATだったんですけど徐々に大きいトラックの仕事をやらせてもらってます。
 今ではAT限定解除して中型免許取って俗に言う4t車に乗っています、リフトも会社で免許取らせてもらいました。

 マニュアル免許は最初手と足がゴッチャゴチャで、先輩や他の人を見てて「何?何でこんな事できるんだろ?」「私には出来んな~」って思ってたんですけど自動車学校行ったら意外とすぐ取れちゃうんですね。
  ただ教習車は乗用車でしたから大きいトラックでは会社が初めてで…いざ乗るってなると普通のクルマと違って内輪差が大きいし本当に不安で怖くって、道の真ん中でエンストした事もあります(笑)

  AT免許取って10年くらい経ってからの限定解除ですが、先輩が隣に一緒に乗ってくれたり空いた時間に練習してると皆気づいたら教えてくれるんで全然大丈夫です、何とかなっちゃいます。

 日曜日は会社が休みで土曜日は自分で予定を決めてだいたい出てますけど、すごい融通が利くんですよね。
 基本はエリアごとに担当が決まっているんですけど土曜日だけは交替で、走れる人がそのエリアを走っています。

 小学生2人と一番下の子は保育園なんですけど、この仕事をする時に「すごーい」とか「トラック乗るー」って言ってくれました。
  子供とは平日は帰ってから寝るまで2時間くらい、休みは1日ずっと一緒にいます、どっか行ったりする事もありますよ。

  帰ってご飯作ってお風呂入れてってやってると大変なので、前の日に次の日のご飯まで作って暖めるだけにしておくって工夫はしますね。
 家族の時間も大事ですけど自分の友人とか会社の人たちとご飯行ったりする時間も楽しみですよね、「頑張って良かったな」って思います。

○会社も家族

 実際、入ってからは上司の人でも冗談言い合って和気あいあいしてて、みんな本当に仲良くて。

 こないだ配達で帰ってくるのが遅くなっちゃって…もう本当は皆帰ってる時間ですよ?
 そしたら仲良しの女の子みんな外で待っててくれてて「おかえり」「がんばったね」って、もう私も「ウワーン!」ってなって「涙出ちゃう~」とか「泣いちゃう~」とか感激しちゃって…まぁ本当は涙は出てなかったんですけど(笑)
 そうやって皆が「おかえり」って言って出迎えてくれるのが本当に嬉しいですよね。

 私が何で続けられたのかっていうと周りの「人」ですね。
 自分の家族より長く一緒にいますし本当に家族みたいって思ってて、私「お父さん」って呼んでる人いますもん!「お母さん」もいますし(笑)

○嬉しかったこと

 最初の横乗り期間は担当の人が決まっているんですけど、そうじゃなくても周りの人が寄ってきて手伝ってくれたりとか、男性・女性関係なく先輩や周りの人がすごく優しい。

  荷物は重たいモノもあれば大きいモノもあって、最初は積み方とかもわかんなくて大変でした。
 でも同じ倉庫の中にいる人だったり誰でもみんなが教えてくれるんですよ、どうやって積んだら良いかどうしたら倒れないように出来るかとか。あと出かける前に道は知ってる人に全部聞いて行くんですが、途中で迷っても電話したら教えてくれますし問題無くやってこれてます。

  今ではトラックで配達に行くとお客様から「待っとったよ~」って言ってもらえるんです、荷物じゃなくて私をですよ(笑)
「あんたが来てくれるの待っとったわ~」って、後で「大変だね~」って言って栄養ドリンクくれるところがあったり、1日で3本別のところでもらって、そういう応援してもらえるの本当に嬉しいし有り難いですね。

 たまに女性のドライバーだからか小さい子が手を振ってくれるんです、ひまわりのマークが入っているからかも。
 私も子供好きなんで嬉しいですね、思わず手振り返しちゃいますよ。
 そういうのがあると「やってて良かったなあ」って思います。

○目標となる先輩

 入社後の横乗り指導で金子さんという女性ドライバーがずっと付いてくれたんですけど、本当に何でもできるんです。
  仕事も完璧でお客様とも仲良くコミュニケーションとれてて、すごくかっこいいんですよ!
  「私なりたい、その人になりたい!」って思って、私の目標・憧れですね。




○メッセージ

 最初は人と関わらないイメージがあって、関わりたくなくてトラック乗ってる人が多いかなって思ってたけど、お客様のところ行っていろいろ喋ったりするし職場で周りの人とも仲良くなったり。
 
 接客が好きな人だったり、運転が好きな人はもちろん、この業界に向いていると思いますよ。
 力は無くても何とかなっちゃいます、私にも出来たので大丈夫です。

 



■管理者のメッセージ

○周りの評判

 鈴木ドライバーに関しては、お客様からは「笑顔が良い」「あの子は愛想がいいね」とすばらしい評価を頂いています。
 人との関わり方が非常に上手で元々の本人の持っている部分もあると思うが、しっかりと相手先とコミュニケーションを築いてくるので逆にお客様が彼女の仕事をフォロー・カバーして頂ける事もあり本当に有り難い事で、それはもう彼女の人柄や人徳によるところも大きいと思っています。
 量が多かったり大変な時もあるのですけれど、彼女はおっとりしているというかシンドイ時でも常に笑顔なので周りが放っておかないのでしょうね。

 女性ドライバーは男性ドライバーと比べスピードが違うので最初はお客様のところへ遅れてしまうという事もありましたが、何が違うのかというと実は女性ならではのキメ細やかな納品方法がありました。
 これまでのドライバーなら荷物を10個持って行ったら単に10個置いて終わるのが、女性ドライバーはきっちり指定された場所にきれいに角を揃え丁寧に置いて頂いているということで、これはお客様からの電話でわかったのですが「どうしたらそのような教育ができるのか教えて欲しい」とまでお褒めの言葉を頂き驚きました。
   
 これだけでは無いのですが男性の視点では気づかなかった部分が結構見つかり、おかげで従業員教育へ生かす事も出来て有り難く思っています。


■社長のメッセージ

○積極的に女性も採用

 弊社では名古屋や岐阜に行くトラックもありますが、主婦や子育てをしながら朝早く出社して積込みをするのは難しいということもあり、女性を近場の運行メインで東三河20km圏内に網羅的に配置しました。
 必然的に東三河で走っているひまわり便のトラックを見かける方は女性ドライバーばかりを見ることになり、「女性でも良いんですか?」って応募してくれる女性の輪がさらに増えたおかげでこの地域で「女性がドライバーで働くならマイシン」というイメージが出来ました。

 もともとは朝の6時とか7時に出てもらわないと配送先の指定時間に間に合わなくなってしまうところを「家庭や子供の都合で8時しか出れないけど頑張りたい」と言ってくれる方がいたので、逆にその時間からでも出来る仕事を作って募集をするようにしたんですね。
 当初、現場から「こんな時間ではできない」と受入れられなかったが、「これからの時代はそういう仕事も見つけなければ人が来てもらえないので、運転者の勤務形態に合わせた仕事に組み替えなさい」と指示をしました。
   
 配車や営業の管理者は相当大変だったと思うが、今まで男性しか出来ないだろうと思っていた仕事を任せてみたら女性でも出来ちゃったんですよ。
 昔は男性が汗かいて「こんな仕事できない」とか無断で休んだりもしていたが普通に女性がやるようになったらもう何も文句は言えないですよね(笑)
 管理者もそれに気づいてどんどん女性を入れていったら、今では女性が増えれば増えるほど来てくれるようになって本当によくやってくれたと思います。
 また、女性ドライバー同士は大変なのをわかっててお互い手伝っていたのですが今では男性ドライバーも含め皆が助け合うようになり非常に良い効果が出ています。

○皆が働きやすい環境作り

 もともと事務職で女性は採用しており、総務課長となった女性もいます。
 募集時の面接は彼女が行っている事もあって女性の敷居は低いと思います。
 ドライバーでもトラックの現状を知っている女性が増えたため配車係や倉庫の責任者などで育てていける体制ができてきたのでキャリアアップも考えています。

 普段はエリアごと担当が決まっていますが、お子様がいらっしゃる主婦層はインフルエンザや運動会のシーズンの平日に休みを取ってもらうために閑散期に順番で他のコースを覚えてもらって交替できるようにしています。
 また、女性が働きやすい職場は皆が働きやすい職場との考えから、年に数回管理職と女性の食事会を行って意見を聞く場を設けています。

 これまでの仕事を変えると生産性が落ちると考える方もいるが、やる気があって来てくれた方に合わせた仕事を作ってあげるとその人を採用するために営業も頑張って新しい仕事を見つけてくるんですよ。
 トップの社長として「やるんだ」って強い決意でやらないと上手くいかないですが、今後も良い人を採用するための努力を続けていきます。

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