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S丸:貨物船 9,813トン 全長167m 乗組員12人 コンテナ127個・シャーシ63台・車両93台
    大阪港→(台風避難のため瀬戸内海経由)→那覇港
  
船長:49歳 一級海技士(航海)免許 海上経験16年 船長歴5年
発生日時場所:平成16年10月20日05時05分 来島海峡馬島南東岸沖
気象海象:雨 北北東風 風力3 下げ潮の中央期 北流2.7ノット

海難の概要 http://www.mlit.go.jp/maia/04saiketsu/17nen/hiroshima/hs1711/17hs036yaku.htm(本海難の裁決書)
 S丸は,大阪港から那覇港に向かうに当たり,台風23号が四国南岸沖に接近する状況下,山口県屋代島沖合で避泊することとし,瀬戸内海を西行して来島海峡に差し掛かった。S丸は,ほぼ全速力の19.0ノットで,北北東風を右舷船首に受けながら順流に乗じて中水道南口を進行中,中水道に向ける転針時機が遅れ,馬島南東岸沖の浅所に乗り揚げた。
背景には・・・


1.来島海峡は初めての通航であり,来島海峡経由での運航に不安があった
2.入社・乗船して日が浅かった(乗船後8日目に事故発生)
3.平成16年3月まで操縦性能の良い4,000トンクラスのフェリーの船長職に就いていた
4.出港が遅れ,台風が接近して避泊を急ぐあまり,19.0ノットの速力まま航行した


レーダー監視を行い,船長から指示のあった馬島南東端までの距離を報告した


船長からの「針路350度」の号令で右転開始
最大でも舵角15度
どうすれば・・・


来島海峡は,初めての通峡でしかも夜間であり,操船に余裕がもてる速力で航行する。補佐に当たる航海士や操舵手には,事前に予定針路線や転針予定地点などを十分に伝えておく。狭い水道では舵角を指示して転針する


予定針路線からの偏位,転針予定地点との位置関係の報告など,操船者の立場に立ったきめ細かな補佐をする


船長から「針路350度」の号令を受けて右転する際,舵角の指示がなければ,確認するか,とった舵角や回頭状況を逐一報告する
 
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