海外の住宅生産業者の我が国の住宅市場における競争への参加は、我が国の国民が低廉かつ良質な住宅を広い選択肢の中から選択できるようにすることに貢献するものとして、建設省、通商産業省、法務省及び厚生省の４省が平成８年３月に策定した「住宅建設コスト低減のための緊急重点計画」において数々の輸入住宅の導入円滑化策を盛り込み、その施策を推進しているところである。
　今般、輸入住宅の平成９年度における供給実績と平成10年度の供給見込みを把握することを目的として、建設省、通商産業省、日本貿易振興会及び(社)日本ツーバイフォー建築協会が共同で関係企業を対象にアンケート調査を行ったところであり、その調査結果の概要は以下のとおりである。

　[調査の概要]

　調査の対象とする輸入住宅を「海外の設計思想による住宅を住宅１戸分として資材別輸入またはパッケージ輪入し、相当程度の輸入資材を用いて建設した住宅（ごくー部に外国製の部品や資材を用いた住宅は除外）」と定義し、関連企業に幅広く（約 3,800社）アンケート調査票を送付して、輸入住宅関連業務の実績のある企業３２２社から回答を得た。

　[輸入住宅の供給戸数]

　平成９年度の輸入住宅供給実績戸数は、7,848戸で前年度比 4.0％減となり、平成４年度の調査開始以来初めて前年度を下回った。（なお、平成９年度における住宅着工戸数は、前年度比で17.7％減となっている。）
　また、平成10年度の供給予定戸数は、9,368戸が見込まれている。
　工法別では、２×４系、２×４パネル系が多く、平成９年度供給実績においては、合わせて 76.9％を占めている。
　輸入国別では、アメリカが43.9％で最も多く、次いでカナダが21.3％を占め、スウェーデンが16.2％、フィンランドが4.0％と続く。

　[平均建築費単価]

　平成９年度の平均建築費単価は、53.2万円／坪で、前年度比 0.4％増であった。

　[供給業者の構成]

　輸入住宅を供給する業者は、年間供給戸数19戸以下のもの(輸入住宅以外の住宅を含む)が40.4％と約４割を占める。また、輸入住宅の供給戸数４戸以下のものが27.1％と約３割を占める。

[参　考]