わたしたち、第2のふるさとを、
見つけました

大学時代の地域づくりインカレサークルで出会った新潟県小千谷市。10年ほど続くメンバーと地域の温かな縁をご紹介。

日本有数の豪雪地帯、新潟県小千谷市(おぢやし)。2012年、学生と過疎地域を繋ぐ架け橋「地域づくりインターンの会」に参加し、小千谷市岩沢地区での地域づくり活動をした当時大学4年生のうっちーさん、大学院1年生のゆっきーさん、大学3年生のちえさんの3人。夏休み中にインターンとして滞在し、成果発表は11月に地域おこしイベントでの「無人駅の駅弁」を販売すること。駅弁を作る上で、3人は地域の人たちに「地域の良いところ」を聞いて回りました。そこで知った小千谷市岩沢地区の魅力、そして地域の人との出会いがあり、3人は一夏のインターンに留まらず、社会人になってからも10年以上通い続けて地域おこし活動に携わっているそうです。
今回は、現在長野県原村で地域おこし協力隊をしているうっちーさんと、東京で会社員をしているゆっきーさんに小千谷市岩沢地区の話をお伺いしました。
地域づくりインターンの会に参加した理由は?
うっちー:当時建築学科の学生でした。東日本大震災があり、建築は設計・デザインだけでなくより地域単位で考えることの重要性を感じ、その翌年、地域づくりインターンに参加しました。
ゆっきー:私はうっちーほどしっかりした理由ではないのですが(笑)。大学院1年目で、友人に誘われておもしろそうだなと思って参加しました。もともと現地実習が好きだったということも理由の一つです。
小千谷市に滞在した時の印象を教えてください。
うっちー:僕らが訪れたのは小千谷市の岩沢地区。飯山線の無人駅にSL列車が通るイベントで販売する駅弁を開発しよう!という企画に参加しました。限界集落もある岩沢地区を盛り上げようと頑張る団体やみなさんの人柄に惹かれました。
ゆっきー:首都圏出身なので、帰る田舎があるのが憧れでした。この岩沢地区では、ちょっと挨拶に立ち寄れば「お茶でも飲んでいがんかい」とお茶にお菓子にお漬物まで出してきて迎えてくれる、まさに田舎ならではとも言える人と人との近さ、そして温かさを感じました。
小千谷市岩沢地区の景色や土地の魅力を教えてください。
うっちー:黄金に輝く棚田は絶景です。田植え・稲刈りを通し、棚田という歪な形ゆえ、農家さんの手作業による毎日の細やかな維持管理の大変さが、この美しい景色の背景にあることを知ることができました。それを知ってからは、毎日食べるお米がよりおいしく感じるようになりました。
ゆっきー:どの場所も素敵ですが、棚田を見下ろすと、奥には広く連なる山脈も一望でき、何度行っても写真を撮ってしまいます。無人駅の木造の駅舎もなかなか趣があります。
小千谷市岩沢地区のおすすめしたい季節はありますか?
うっちー:冬になると田んぼが一面真っ白の雪景色に。雪かきなどは本当に大変だと思いますが、豪雪地域ならではの素敵な景色です。
ゆっきー:驚いたのは何においても花火をあげるということ。(他の地区ですが)ギネス級の花火を上げてしまう片貝まつりなど極端な例以外でも、ちょっとした地域の夏祭りや冬のイベントごとでも花火が上がるんです。地域のみんなで同じ花火を見て感動を分かち合う、とても素敵な風習だと思います。
小千谷市岩沢地区の方とはどのような交流をしていますか?
うっちー:地域づくりインターン生OBとして「岩沢アチコタネーゼ」(※)という地域住民団体の方達と一緒にイベント企画などに関わっています。
ゆっきー:一時期は2ヵ月に1回ほどのペースで通っていたのですが、コロナ禍でなかなか行けず…。そんな中、首都圏に住む私たちで同窓会のような団体「いわとも」を立ち上げて、リモートで交流する場を設けたり、昨年にはライブコマースを提案、開催しました。農家さんに商品のストーリーを語ってもらい、地域のものを買ってもらう。そんな取り組みが実現しました。
(※「あちこたね」は地域の言葉で「心配ない」「大丈夫」という意味)
二人にとって「第2のふるさと」小千谷市岩沢地区とは?
うっちー:観光的なサバサバした関係ではなく、悩みを共有、共感できる相手です。親戚のような、実家のお手伝いをしている感覚です。岩沢地区での経験がきっかけで、昨年に東京から長野県原村に移住して、地域おこし協力隊として活動しています。いい意味で人生が狂わされました(笑)。
ゆっきー:私にとっては、もはや趣味なんです。会いたいから会いに行く。つながりを絶やしたくないから交流の場を企画する。たまに行くから、喜んでくれるし、魅力もわかる。しつこくなく適度な距離感が心地いい。そんな関係が、私たちにとっての「第2のふるさと」です。

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