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報道・会見
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井手長官会見要旨

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最終更新日:2013年5月24日

2013年5月22日(水) 15:00 ~ 15:35
国土交通省会見室
井手観光庁長官

会見事項

(訪日外国人旅行者数(平成25年4月)について)
 2013年4月の訪日外国人旅行者数は92万3千人で、対前年同月比18.1%増であった。また、2013年1月~4月までの累計では317万8千人で、対前年同期比18.0%増となった。国別で4月単月の前年同月比の伸率を見ると、韓国が33.7%増、中国が33.0%減で、中国だけが二桁減となったが、アジアのほとんどの国はインドを除いて二桁増となった。オーストラリアも29.8%増、フランス、ドイツも二桁増であった。この数字の背景だが、円高の是正の他、春のシーズンに向けて各重要マーケットでプロモーションを強化してきた成果も出てきていると思われる。また、LCCの参入をはじめとして、LCC以外についても日本路線の増便があったため、航空の供給サイドがかなり増えてきたということもプラスに働いたと考えている。ただ、18%増という数字は、3月までの累計伸率と変わっていない。今年は初めて1千万人を目標に挑戦しているが、このままでは1千万人には届かず980万人台の数字となる。従って、今一歩の積み上げが必要である。これから年末まで更に積み上げたペースを維持することはなかなか簡単なことではないが、そういった努力をしていきたいと思っている。

(OECD及びUNWTOとの協力促進について)
 UNWTOをご存じでない方もおられるかと思う。前身をGATTとするジュネーブにあるWTOが有名だが、もう一つ、WTOの前に国連のUNがついたUNWTOというものがある。これはスペインのマドリッドに本部を置く世界観光機関という国連の専門機関で、UNWTOアジア太平洋センターが、世界唯一の地域事務所として奈良に存在している。そういう意味では日本にゆかりの深い国際機関である。
 このUNWTOが、今年の秋に奈良で「海のシルクロード」というワーキンググループを開く。陸のシルクロードは大変有名であるが、海のシルクロードも同じようにある。かなりの昔にアラビア海あたりから東南アジアなどを経由して、東アジアまで来ていた交易ルートがあった。そういうところの作業部会を開催する予定になっている。来年11月は同じく奈良でUNWTOの観光統計の会議がある。OECDの観光委員会という委員会があるが、ヨーロッパ以外で開催されるのは歴史上初めてであるOECDの観光統計グローバルフォーラムと同時開催である。
 ご参考までにUNWTOについて簡単に触れさせて頂く。UNWTOは最近特に旅行者のビザの緩和問題、様々な税金あるいはチャージの軽減あるいは除去に取り組んでいる。UNWTOとの関係でいうと、昨年、G20やAPECのサミットで初めて観光について取り上げられ、日本だけではなく、世界的に観光の重要性が高まっている。UNWTOは世界的な統計をとっており、世界各国の国際観光の到着者数が昨日史上初めて10億人を超えたということで、今後の中長期の予測もUNWTOで行っている。

質疑応答

(問)今日発表された訪日外国人の数が、日本政府観光局の資料を見ていると、単月で過去最高、4月としてではなく、トータルで見ても過去最高ということになっていて、前回が2010年7月となっているが、約3年ぶりに過去最高を更新したということで、どういった地域から来る人が増えたとか、環境がこう整ったのでこういう人が増えたなど、当時と比較した観点から、今回の過去最高について解説を改めて頂きたい。
(答)2010年との比較での今回の傾向だが、一つにはやはり中国からの観光客が低迷しているということがいえる。それから、ASEANからの観光客の絶対数がかなり増えている。2010年に比べると国別のシェアがASEANに大きくシフトしつつある。

(問)先日政府の観光に関するワーキングチームの中間とりまとめが発表され、色々な項目で観光客の増大や観光客の消費をどう増やしていくかという施策が書かれていたが、特に注力する分野がどのあたりになってくるのかということと、具体的にどう実現していくかというスケジュール感について教えて頂きたい。
(答)月曜日の夕方ご報告した観光立国推進閣僚会議の下の観光立国推進ワーキングチームのとりまとめについては、項目が大変多岐に渡っていて恐縮だが、スケジュール感を含めて申し上げる。
 ひとつはオールジャパンということだが、オールジャパンはかけ声としてはかなり前からあるわけだが、これのウイングを広げて具体化していく。すなわち観光庁やJNTOだけがやるのではなく、去年の4月からは大使館と共同して計画を作りかなり色々な事業を一緒に実施しているが、そのウイングを更に広げて、大使館だけではなくて、海外に事務所をもつおよそ関係のあるところすべて、JETROや、外務省の関係でいうと国際交流基金、自治体国際化協会といったところと、それぞれの事業を共同でやっていこうということで、これについての計画を作って実施していくということ。その場限りではなく、全てカレンダーを作って一緒にやっていくということを決めているが、この共同計画の策定を夏までに準備したいと思っている。
 クールジャパンと一体となった日本ブランドの発信だが、これは海外のテレビ番組枠の確保などである。ご案内のとおり今までの我々のプロモーションというのは、予算が足りないこともあり、仕組み上、海外のテレビの映像を通じた発信というのはアジアの他の国がやっているようにはできていない。アジアの他の国は皆やっているが日本だけはできていない。我々独自で考えると来年度の予算になってくると思うが、今国会に提出している海外需要開拓支援機構というファンドをつくる法案が成立すると、ファンドから色々な出資ができるようになるため、民間からの共同出資を含め、このファンドからの出資によって色々な活動ができるようになる。こういったことを通じたチャンネルの拡大、あるいは映像ではないがジャパンモールの海外展開を観光分野で一緒にやっていくということ。法案が成立した後具体的な作業を行っていくが、これも大事な項目だろうと思っている。
 ビザは年内出来る限り早期に緩和ということで、かなりのものは夏までに出来るだろうと予測している。
 ホテルや旅館の外国人向けのサービスの内容がどうなっているかということについて、初めて制度をつくって導入する。これについては細かな制度設計も考えると、年度内くらいに仕上げるのかなと。年内は難しいかもしれないが、年度内には外国人向けのサービスや設備についての情報提供の制度をつくっていきたいと思う。
 出入国の迅速化のファーストレーンだが、定員を要することなので、実施はおそらく来年度になると思う。法務省で来年度の定員を確保して、同時に自動化ブースの利用促進などによって、入国審査の方の負担を軽減しながらやっていく。
 多言語対応ということで、日本中で横断的にガイドラインを作って、美術館、博物館あるいは公園、観光地、道路も含めてだが、こういったところのガイドラインを作って多言語対応をしていくということについては、ガイドラインを年内に策定したいと思っている。

(問)ビザの関係で「かなりのものを夏までに」とおっしゃっていたが、「かなりのもの」とはどういった内容を指しているか。
(答)総理もお話しているが、これはASEAN諸国のことで、まだ作業日程との関係があるが、かなりのものを夏までに仕上げるということで、今外務省の方で作業をして頂いている。

(問)中国からの旅行者数が相変わらず低調だが、現段階での受け止めや対策をお聞かせ願いたい。
(答)中国は見て頂いたような数字である。一方で、我々は昨年来、中国でのプロモーション活動をやめていない。不振ではあるが、色々な媒体を使ったプロモーションであるとか、旅行博的なものへの参加を予定通り続けている。結果、個人旅行についてはかなり良い兆候が出てきている。団体旅行は地域によってまばらであるが、総じて南の方はもう回復しつつある。ただ、北の方に行くと団体旅行の回復がかなりまだ遅いという傾向が見受けられる。私ども自身も、JNTOの海外事務所を通じたプロモーションの他に、幹部が中国に赴いて先方のカウンターパートだけではなく中国の旅行会社との意見交換もしながらこのあたりの底上げを努力してきている。まだプラスに転じるまでには時間がかかると思うが、全体として更に悪くなるということではないと思っている。

(問)4月の訪日外国人数が単月過去最高になったことへの感想を伺いたい。
(答)悪い数字ではないと思っているが、18%のプラスでは1千万人に届かないため、更に一段の底上げが必要である。過去最高という数字で喜んでいるだけではいけないと思っている。

(問)過去最高というのはいつ以来か。
(答)統計を取り始めた戦後以来。

(問)台湾から来ている方が19万7千人あまりということで、韓国に迫る勢いだが、それについてはどうお考えか。
(答)台湾は航空座席の増加がかなり効いているエリアである。具体的には、台湾と日本の航空会社だけではなく、例えばシンガポールの航空会社が台湾経由で日本に来るなどの形を含め、かなり供給が増えている。そういったことを含め台湾からのインバウンドは大変好調である。ちなみに、4月単独で中国より訪日客数が多いわけだが、去年の一年間の累計も中国より3万人程度多い。4月だけの数字で見れば、韓国に迫っているが、1月~4月の累計で見ると、韓国が87万9千人に対して、台湾は60万6千人ということであるため、全体的な数字としては韓国よりまだ少ない。
(問)LCCの貢献はあると思うか。
(答)あると思う。韓国についても同様で、日韓でLCCが行き交っており、航空座席数が増えている。

(問)欧米も比較的プラスで好調なのかなと思うが如何か。
(答)欧米の中で個別にコメントを申し上げると、例えばフランス、ドイツが欧米の中でも高い数字を示している。これは、実は若干反動増という要素もある。去年のかなりの期間、フランスとドイツは原発の風評被害の影響を引きずっていたと思う。もちろん為替の問題もあるが、双方の要因もあり、昨年かなり数字が良くなかった。その反動増という側面もあると思う。同じことは韓国にも言える。韓国は今回の数字だけを見ると好調だが、昨年の暮れぐらいまでは、ウォンと円の通貨レートの問題だけではなく、原発の風評被害を最も受けていた。そういう意味で、韓国、フランス、ドイツあたりは、数字は良いが、去年の今頃の反動増という要素があるので、そこは留意しなければいけないと思っている。

(問)訪日外客数は観光客がメインだと思うが、一部ビジネスマンも入っているのか。
(答)この数字は法務省の統計をベースとしており、ビジネスと観光が区別されていない。事後的な調べによれば、毎年だいたい大きな変動はなく、日本に来る外国人の7割程度が観光客で、残りの3割がビジネスや知人の訪問など観光以外の方というのがだいたいの傾向である。
(問)数字としてなかなか内訳は分からないと思うが、側聞されている印象で、外国人のビジネスマンが増えていると思うか。
(答)定性的に申し上げて、日本へのビジネス客も増えていると思う。
(問)なぜそう思われるのか。
(答)ビジネスであるため、当然ビジネスチャンスがあれば増えるということだと思う。

(問)原発の風評被害の影響はほぼ脱したとみてよいか。
(答)残念ながらまだ残っていると思う。東北、とりわけ福島についてはそういうところがあると思う。今回の数字は、訪日全体の数字であるため好調な数字だが、個別に色々な国の旅行会社の方の話を聞くと、やはりまだ福島は少ない。例えば韓国の路線も福島の定期便はまだ止まったままで再開していない。良い兆しを言うと、去年の暮れと今年のはじめにチェ・ジウさんがチャーター便で来日されたが、今年の夏からチャーター便がほぼ定期的に運行する。そういう意味で、韓国についても福島への来訪がある程度戻りつつあるという明るい兆しがある。

(問)1千万人を達成するための具体的な施策について、例えばビザ要件が緩和されれば1千万人も見込めるとお考えか。
(答)ASEANに対しては、韓国と比較するとビザ要件が厳しい。そういう意味ではビザの緩和はかなり追い風になると考えている。
 韓国に対しては昨年のマイナスがあるため、これから取り戻していくエリアだと思っている。そのためにいま韓国側と頻繁に連絡を取り合っているが、地方交流計画というものを昨年末の段階で既に作成している。日本と韓国の間で、ソウル・東京以外の地方へなるべくお互いに行き来しようという計画を作って、そのための共同作業を行っている。韓国についても底上げをしていきたいと思っている。
 欧米は絶対数自体はそこまで多くないが、大事なマーケットであるため、引き続き、団体客というよりはむしろ個人客だが、個人客に向けて特別な興味をもったようなテーマをきめ細かく次々打ち出していく方法が効果的だと考えている。

(問)来日にされた方がどこの都市に行っているかという統計はあるか。
(答)ある。少し時期が遅れるため、4月までの数字があるわけではないが、昨年までの数字で、県単位でどの県が多いというデータがある。
(問)やはり東京に集中しているのか。
(答)宿泊の数は東京が多い。あとはゴールデンルートと言って、富士山、京都など東京から大阪までの間は、宿泊しない場合を含めて人数の絶対数は多いと思う。東京の近辺で泊まった方が千葉も多いし、京都近辺だと大阪も多い。
(問)スカイツリーが本日で誕生一周年だが、ああいうところに行っている人はどれくらいいるか分かるか。
(答)スポットだけの統計はとっていない。
(問)ああいうのは魅力になっていると思うか。
(答)なっていると思う。

(問)ビザの件で、ASEANについて「かなりのものを夏までに仕上げる」とおっしゃっていたが、「仕上げる」というのは緩和を目指すということか。
(答)はい。
(問)具体的に何月までに。
(答)外務省の方で今一生懸命作業している。

(問)先日総理のスピーチの中で「2千万人」という目標のご発言があったが、達成時期については。
(答)1千万人の方をまず一生懸命やっており、もちろん同時並行的に中期的な作業もやっている段階。ご質問の2千万人については、何年という年限は今設定していない。将来的に2千万人の高みを目指すと総理はおっしゃっている。

(問)先ほどのビザの件だが、夏からの緩和を目指す理由としては、やはり夏が一番来る人の数が多いからか。1千万人を目指す上では早めにやらなくてはいけないということか。
(答)秋だと年内残りわずかになってしまうため、早く作業をして実施して頂けるように外務省にはお願いしている。

訪日外国人旅行者数(平成25年4月)に関する配付資料

配付資料1
配付資料2

   ※詳細については日本政府観光局(JNTO)の統計報道発表資料をご覧下さい。

このページに関するお問い合わせ
観光庁総務課(広報) 近藤、浦川
代表 03-5253-8111(内線27-120、27-118)
直通 03-5253-8321