急速な訪日外国人旅行者の増加も一因として、一部の観光地においては、地域住民や訪問する旅行者の間で、混雑やマナー違反などの課題への関心が高まっており、これに呼応して、いわゆるオーバーツーリズムに関連する報道もしばしば見受けられるようになっています。
観光庁では、昨年6月に「持続可能な観光推進本部」を庁内に新たに設置し、自治体へのアンケート調査等により、国内外の先進事例を整理するとともに、観光庁としての今後の取組の方向性について検討してきたところです。
本部における検討の成果として、6月10日に開催した「持続可能な観光推進本部」において、「持続可能な観光先進国に向けて」をとりまとめましたので、公表いたします。
【とりまとめの概要】
〇我が国における現状
・ 主要な観光地を抱える自治体は、訪問する旅行者の増加に関連する課題の発生を認識しており、特に近年では混雑やマナー違反に関する個別課題を強く意識する傾向にある。さらに、当該地方自治体の多くがこれらの課題に対する様々な対応策を講じ始めている。
・ 他方、全国的な傾向としては、現時点においては、他の主要観光国と比較しても「オーバーツーリズム」が広く発生するには至っていないと言える。
〇今後の取組の方向性
・ 京都等の代表的な観光地において、関係自治体と協力して、混雑やマナー違反対策等に関するモデル事業等を実施し、観光庁で収集した国内外の先行事例とともに、全国に横展開していく。
・ 各自治体や観光地域づくり法人(DMO)が多面的な現状把握の結果に基づき持続可能な観光地経営を行うよう、国際基準に準拠した「持続可能な観光指標」を開発・普及していく。
※ このほか、「持続可能な観光の推進に向けた先進事例集」において、国内外の先進事例を紹介。
