国土交通No.128
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6のボランティア活動によって成り立っています。公園サポーター(堀金・穂高地区では公園パートナー)は総勢40名。一部の人は公園造成計画のころから携わり「地域の文化を活かし、残していく」という強い思いで臨んでいます。調査設計課長の奈良憲孝は「こんなに地元と密接した公園はないんじゃないか」と言うほど。それぞれ得意としていることや、専門性を活かし、イベントなど、公園づくりに参加しています。大町・松川地区の公園サポーター浅香公夫さんは、同地区の里山林・扇状地にあるという特色を活かした公園のため、「全国一律的な公園・緑地フィールドであってはいけない」と言います。「“誰のための、何のための公園か”ということを意識しています。運営する側にとっては管理しやすい方が楽ですが、それだと画一的になり特色が出ません。この公園は地元の方々だけではなく、他地域からのお客さまもいらっしゃいます。この地域の文化や自然を紹介し、体験してもらうために、我々約350haの広大な公園それぞれの地域区に合わせたテーマで整備国営アルプスあづみの公園は、長野県北西部、3000m級の山々が連なる北アルプスの山麓にあり、北側の大町・松川地区と南側の堀金・穂高地区の2地区からなる広大な公園です。今年、堀金・穂高地区は開園10周年、大町・松川地区は5周年を迎えました。それぞれの地区は立地環境によって異なるテーマで整備されているのも、この公園の特徴。北の大町・松川地区は「安曇野総合体験パーク」として、乳ち川がわが形成した扇状地上に広がる森林地帯をそのままに、自然環境を学び、体験することを目的にしています。一方、同地区から南に15㎞離れた堀金・穂高地区は、安曇野の田園風景を保全・復元し、自然と文化を体験する「安曇野入門体験パーク」。園内には、烏川の氾濫跡の窪地を利用した池(夏季は子ども向けの水上アスレチック)や、烏川に生息する魚を観察したり、農家の旧家など地域の文化を紹介する「あづみの学校」などがあり、安曇野のシンボル・常じょう念ねん岳だけを目前に眺めながら、農村文化や伝承を追体験できます。「誰のための何のための公園か」を念頭におきながら管理・運営この広い地域の管理・運営は、管理センター職員だけではなく、地元の人々にとっては大変なことかもしれませんが、できるだけそのままの状態で案内したいと思っています」こうした考えは、サポーターだけでなく、管理センターの職員とも共通認識として持つようにしているそうです。行きは森の散策路で帰りは空中回廊で視点を変えながら自然観察実際に、大町・松川地区を浅香さんのガイドで歩きました。同地区は計画面積255haのうち昨年9月に渓流レクリエーションゾーンがオープン。先にオープンしたセンター渓流ゾーンに入るときはクマよけの鐘を鳴らすのも忘れずに10mの高さから園内を見渡せる空中回廊自然の中の渓流ガイド02【環境】北アルプスの山々と安曇野で育まれた豊かな環境と田園文化が楽しめる 国営アルプスあづみの公園大町・松川地区のサポーター浅香さん。「高いところだと木の実もよく見えるでしょ」

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