国土交通No.129
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3国土のグランドデザイン2050 す。東日本大震災があり、そして首都直下地震・南海トラフ巨大地震の30年以内の発生確率は70%と言われています。今後の国土づくりを考えるに当たって、巨大災害への対応を考慮に入れないわけにはいきません。キーワードは「コンパクト+ネットワーク」日本の国土を縦横1㎞のメッシュに切って推計してみると、全国の現在人が居住している地域の約6割で人口が半減以下になり、またその3分の1、全体の約2割の地域では人が住まなくなる…今回の調査で現れた数字です。少子化と同時に高齢化も進み、地方圏では高齢人口は2025年をピークに減り始めますが、東京圏は2050年まで増加の一途をたどります。大都市と地方での病院・介護施設・福祉施設の不均衡(ミスマッチ)も大きな課題の一つとなるでしょう。今日本が直面する大きな「危機」とは…2014年7月に「国土のグランドデザイン2050~対流促進型国土の形成~」を発表しました。これは、2050年の目指すべき国土の姿やそのための国土づくりの理念、基本戦略などを示したものです。日本は今、大きな危機に直面しています。まず急速に進む人口減少です。日本は2008年をピークに人口減少局面に入りました。昨年の合計特殊出生率※は1・43と低水準で、このまま推移すれば2050年には人口が1億人を割り込み、約9700万人になると推計されています。これに伴い、人口の地域的な偏在が加速します。特に人口減少の著しい地方部では、若年人口の減少により、消滅する自治体が数多く発生するという指摘もあるほどです。また、切迫する巨大災害もありま対流促進型国土の形成特 集※合計特殊出生率…一人の女性が一生に産む子どもの平均数

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