国土交通No.129
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6どさまざまな機能が集積した中心市街地、商業・行政など地域の生活サービスなどの機能が充実した地域拠点、暮らしに密着した生活拠点というように役割を持たせ、それらが利便性の高い鉄てつきどう軌道やバスなどの公共交通、幹線道路で結ばれた多核連携型の都市構造を目指しています。都市・生活機能の高密度化・効率化を図りつつ、さらに各拠点を公共交通などで結んで互いに連携できるようにすることで、市民にとっては快適・便利でありながら、効果的&効率的な都市経営を実現しようとしています。「単に集積縮小するのではなく、相互連携によって利便性と豊かな環境を双方享受できる、住みよいまちづくりを目指しています」(熊本市都市建設局都市政策課 佐治一誠さん)九州・東アジアの交流拠点都市を目指した中心市街地の再デザインまず「市の顔」である中心市街地においては、高次な都市機能を集約し、にぎ人口減少・少子高齢化社会を見据えた都市の将来像の提示九州の中心に位置し、自然豊かな阿あそ蘇や天草にもほど近い熊本市は豊富な地下水や温暖な気候に恵まれ、農業や産業が盛んな地域です。古くから熊本城の城下町を中心に栄えてきました。平成24年4月に政令指定都市に移行後、人口は増え続け、平成26年には74万人を突破しています。しかし、全国的な少子高齢化の影響は避けられず、30年後には経済活動を支える15~64歳人口が現在の76%まで減少し、高齢者の割合が大幅に増加することが予測されています。その結果、都市活力の低下や交通弱者、空き家の増加など、多くの問題が懸念されています。そこで熊本市では平成37年を目標年次とした「第2次熊本市都市マスタープラン」を策定。「将来のまちの姿」を市民に提示し、実現に向けた施策や取り組みを進めています。機能が集積した拠点間の連携で効果的&効率的な都市経営へ都市マスタープランで熊本市が掲げた将来像は「豊かな水と緑、多様な都市サービスが支える活力ある多核連携都市」というもの。商業・業務・文化なわいのあるまちづくりのための取り組みが進められています。なかでも熊本城を望む桜さくらまち町・花はなばた畑周辺は、中心市街地「2核3モール」の1核ながら、現在のバスターミナル・商業・業務などの施設は築後40年以上を経過し老朽化しています。そこで「熊本城と庭つづきの『まちの大広間』」をコンセプトに、平成30年度以降のオープンに向け進められている民間事業者による再開発事業とともに、オープンスペースやホールなどの交流施設の導入も予定されています。「政令指定都市となり、九州新幹線開通も追い風となって、国内はもちろん桜町・花畑周辺地区:オープンスペースの整備イメージ桜町・花畑周辺地区:オープンスペースの一部として歩行者空間化するシンボルプロムナード桜町地区:再開発建物の全体イメージ(平成26年10月現在)JR熊本駅も安藤忠雄氏デザインの駅舎に立て替え予定。市電停を覆う大屋根など 一部完成しているコンパクト+ネットワーク活気に満ちあふれた「多核連携都市」を目指して熊本県熊本市

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