国土交通No.129
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9成を活用して集落活動センターを開設。清流館の目の前にそば打ちなどを体験できる交流施設を拡充し、より活動の幅を広げました。「受け入れ態勢ができたので、さらに積極的に交流イベントを企画していきたい。地域の人とのふれあいを通じて、汗見川地区の魅力が伝わればと思います」(汗見川活性化推進委員会会長山下文一さん)地域内外の協力を得て特産のシソ加工品は黒字にさらに特産品を用いた加工品の開発にも取り組んでいます。シソアイスもその一つ。平成26年には2万5千個を売り上げ、黒字化を実現しました。この立役者となったのは平成25年3月まで本山町の地域おこし協力隊として活動してきた野尻萌め生ぐみさん。福岡県出身の野尻さんは大学を卒業しすぐに本山町に移住して来ました。「量産化は売上予想が難しくて苦労続き。でもみんなで工夫して取り組んだ達成感は大きかったですね」。任期を終えた現在は同地に定住し、集落活動センター事業推進員として活躍しています。また高知ふるさと応援隊の山下祐美さんも「拠点ができたことで若い人や地域外の人も輪に加わり、つながりを創出できました」と言います。こうした努力が実った結果、事業的な成功につながり地域内外での関係づくりにも大きな効果をもたらしたと言えるでしょう。今後は活動を継続するための仕組みづくりや、その成果を地域へ還元する方法などが課題とのこと。開所から3年目、新しい地域産業を創生するよう、未来につなぐための成果が期待されています。題は「大宮地域振興総合プラン」に集約し、優先順位も住民が決定し、運営されています。支え合いの仕組みをつくり「地産外商」にも取り組むみやの里開所後は、田舎暮らし体験交流イベントや野菜の庭先集荷、地域資源を活用した加工品開発、コスモス畑や竹林の整備など、続々と活動を広げてきました。中でもユニークなのが平成26年開始の「お助けレンジャー」。生活の困り事を住民の力で解決するという取り組みで、国の助成が終了する2年後には、有料化も検討されています。「補助に頼らず、住民の支え合いで自立できる地域づくりが目標です。そのためにも特産品を使った配食サービスや、葬祭事業など、地域ニーズに応えた事業を実現させたいですね」(大宮地域振興協議会 事務局長 窪内正彦さん)今後は地元で生産を増やしている特産品の「大宮米」など、農産物の地域外への販路も広げたいとのこと。地域の内外で、活性化のための仕組みづくりが進んでいます。本山町汗見川の取り組み美しい清流に癒やされる体験型イベントを通して地域の活性化に取り組む本山町汗見川地区は四国山地の中央、吉野川の支流域にある6つの集落から構成されています。現在は98世帯196人と、林業の衰退とともに最盛期の半数を割り、高齢化も急速に進行しています。こうした中、集落の連携は密に行われており、平成11年には汗見川活性化推進委員会を設立し、地域活性化のための取り組みを行ってきました。その中心となっているのが、廃校を活用した宿泊施設「汗見川ふれあいの郷 清流館」。清流と森の美しい景観を目当てに訪れる宿泊客は年間800人以上。体験イベントなどの交流活動もにぎわいます。さらにこの地域の活性化を目指すため、平成24年6月に県の助大宮集落活動センターの拠点となっている大宮産業店舗(元農協)写真中央が小学校の建物を活用した宿泊施設「汗見川ふれあいの郷 清流館」集落活動センターでのそば打ち体験。地区の女性が指導役に写真右から汗見川活性化推進委員会山下会長と汗見川の取り組みをサポートする本山町まちづくり推進課の大西課長みやの里のみなさん。左から順に地域おこし協力隊竹本さん、代表の竹葉さん、 みやの里事務局長窪内さん、四万十市西土佐総合支所上岡係長。竹本さんは昨年から大宮に。農林部会の一員として米づくりに取り組んでいるしそアイスの開発・販売の中心となった野尻萌生さん。外部の若い人からの意見は大いに刺激になったとのこと高知ふるさと応援隊山下祐美さん対流促進型国土の形成国土のグランドデザイン2050特集

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