国土交通No.130
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15仕事中「それぞれの立場で役割を受け持ちつつ、自分の音を磨き上げようと努力する姿には多いに刺激を受けています。たとえ失敗が続いたときでも『もっと練習しなければ』と気持ちを奮ふるい立たせてくれるんです」(堀内)国民の信頼と理解のもと成り立つ海上保安業務尖閣問題や密漁などで緊迫した昨今において海上保安業務の必要性が高まる中、時に「音楽なんて」という声が聞かれるのも事実です。しかし、海上保安庁が担になうのは、海上における警備や犯罪の取り締まりだけでなく、治安維持・海難救助・災害対応・航行の安全確保、そして海洋調査などの多岐にわたり、それらの業務において、より高い効力を発揮するためには、国民ひとり一人の信頼と理解が欠かせません。たとえば、海上での事件・事故の緊急通報用電話番号として「海のもしもは118番」が設けられていますが、異変に気づいた人からの迅じんそく速な通報があってはじめて海上保安庁が適切に動くことができます。このように国民の協力を得ながら海の安全を守るという関係性は、陸上における警察や消防と国民の関係性に似ています。「海での事故から命を守るためにも、知識の一つとして海上保安庁の業務について知っていただくことは重要なことだと思います。演奏を通じて一人でも多くの方に親しみを持っていただき、そのことが当庁への理解と信頼につながればと考えています。とはいえ、あまり堅苦しく考えず、演奏を楽しみにきていただきたいですね」(齋藤)いつのころからか練習室に掲げられた『奏思奏愛』の文字。そこに込められたそれぞれの思いは、音楽に乗って私たちの心に届けられます。ぜひ音楽隊の演奏会に足を運んでみてください。現場力業務密着ルポシリーズFILE 31海上保安庁音楽隊総務部政務課政策評価広報室齋藤 嘉信平成5年入庁。音楽隊へは12年に入隊し、現場などで隊を離れるも24年から隊長として8年ぶりに戻る。「練習のときはできていても、緊張などで音を外したり、スタミナが持たなかったりと悔しい個所や反省すべき個所も。克服しなくてはならない演奏技法がまだまだあるので、時間をかけてでも確実に演奏できるように努力したいと思います」海洋情報部海洋情報課永井 豪平成11年入庁。サックスなどの木管楽器セクションのリーダーで、演奏会の舞台企画担当でもある。「演奏会の中で企画したことの評判が良く、担当として素直にうれしい。全体的に音楽のレベルが上がってきていると実感するが、レベルが上がってきているからこそ、細かいところが気になるようになってきた。もっと練習したかった!!この一言に尽きます」警備救難部管理課運用司令センター愛瀬 有輝平成16年入庁。音楽隊に入隊して5年目になる。「本番までの練習は厳しいものでしたが、演奏会本番では楽しく吹け、全体としてもまとまって演奏できていたのではないかと感じました。細かいミスやクリアできなかった課題がいくつかありましたので、これからも努力していきたいと思います」交通部企画課堀内 彰平成18年入庁。音楽隊へは25年4月に入ったばかり。「緊張のせいか、練習では演奏できていたところをミス。それが引き金でミスが重なるという負のスパイラル状態となってしまった。「ミスしないように!」と思う気持ちを持つだけではなく、それ以上に楽な気持ちでかつしっかり自信を持って演奏するよう心掛けたいです」PROFILE演奏会の予定はホームページでもご案内していますhttp://www.kaiho.mlit.go.jp/syoukai/soshiki/soumu/band/index.html定期演奏会の感想も聞きました♪

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