国土交通No.130
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6電子国土基本図を中心に地理空間情報を整備して活用を推進国土地理院が作製する地図は、2万5千分1地形図を中心に電子国土基本図として電子化されています。「基盤地図情報※1」を含む「地図情報」、地図と重なる空中写真画像の「正せいしゃ射画像」、「地名情報」のレイヤーに分けられており、常に最新に更新されています。また、人工衛星画像を基に北方領土をはじめわが国の領土である島しょ部まで網羅した国土の基本図も整備しており、これらは、地理院地図(電子国土web)による公開を始めとして、数値地図(国土基本情報)、電子地形図25000などの刊行物としても提供しています。防災・減災にも役立つ地図情報災害時はもちろん平時から活用を災害対策基本法に基づく「指定行政機関」として国や地方公共団体、国民の防災活動に資するために、さまざまな地理空間情報を提供しています。さらに平成26年4月に策定された「基本測量に関する長期計画」では、東日本大震災の経験を踏まえ、「防災への取り組み」の重要性を明示。地理空間情報を防災・減災に役立てるための仕組みづくりに取り組んでいます。その一例をご紹介します。❶災害時の現状を迅速に把握し提供地震・火山噴火・風水害などの大規模な災害が発生した際には、状況に応じて空中写真の緊急撮影や航空機搭載型SARなどによる観測を行い、災害対策活動に必要な地理空間情報を迅速に関係機関に提供しています。また、被災前の状況を表す過去の地形図や空中写真と最新の災害状況とを合わせて分析し、情報提供することで、災害対策を支援します。❷災害復旧・復興を情報で支援地震による地殻変動が生じた地域で測量作業を実施し、電子基準点や三角点、水準点の測量成果を改定するとともに、地殻変動の影響を受けた公共基準点を簡便に補正するためのパラメータを作成し、ホームページで公開しています。また、災害復興事業に使用するための地理空間情報を整備し、国や地方公共団体へ提供しています。❸地表面の変化を常に監視人工衛星からの電波を利用した「干かん渉しょうSAR」によって地表面の変動を面的に監視しています。同じ地域を複数回観測し、データを比較・解析することで、地表の複雑な変動を捉えることができます。( ▼9ページ )❹地殻変動を監視し、変化を検出電子基準点を用いたGNSS連続観測により、全国の地殻変動を監視しています。また、その結果から地震時の大きな変化を検出して、地震の特徴を調べるのに役立てています。( ▼9ページ )全国のハザードマップもホームページから閲覧できる  http://disaportal.gsi.go.jp国土地理院防災監視室多彩な地図を作製・共有外部との連携で活用推進を図る

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