国土交通No.130
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8て観測することにより、プレート運動を精密に測定することができ、東日本大震災前後の日本の座標値の変化も知ることができました。このほか、VLBI観測による地球自転の観測は、うるう秒の挿入タイミングの決定、「はやぶさ」などの深宇宙探査機の軌道制御、衛星測位の精度向上などに利用されています。測量の基準VLBIは、グローバルな経緯度の基準である“世界測地系”の維持に不可欠です。また、日本のすべての測量の基準となる「測地成果2000」の維持にも利用されています。 測量やナビーションには、経緯度や高さ天体からの電波で地球上の日本の位置を知る本院の敷地内に建つ、直径32mの巨大アンテナ。VLBIとは宇宙の彼方にある天体から発せられる電波を複数のアンテナで受信し、到達時間差を解析することで各アンテナの位置関係を正確に測定する技術です。世界21カ国の機関が参加する国際VLBI事業(IVS)のもとで観測が実施され、その結果は、国際的な座標系の構築・維持や地球上の日本の位置を正確に決めるために利用されています。また、大陸間を継続しを表す基準(測地基準系)が必要です。 VLBIや全球測位衛星システム(GNSS※1)など、宇宙から地球を測る技術により、世界共通に利用できる測地基準系(世界測地系)が誕生しました。国内で各種測量の基準となる三角点や電子基準点(GNSS連続観測点)には、世界測地系に基づく経緯度(測地成果2000)が新しく与えられましたが、その算出には、長年の国際観測から決定されたVLBI観測局の位置が基準となりました。最新型のVLBI観測施設を石岡測地観測局に設置最新鋭のVLBI観測施設が茨城県石岡市に設置され、平成26年10月28日より本格運用へ向けた試験観測を開始しました。小型・広帯域・大容量化となる次世代型VLBIの運用で、駆動スピードのアップ、24時間365日の常時観測化が可能になり、より高精度の位置測定が実現します。 石岡測地観測局のアンテナ最先端のVLBI技術を用いて、巨大地震を引き起こすプレート運動を精密に捉えますVLBI観測により、ハワイが日本に毎年6cmずつ近づいていることがわかりました。また、2011年3月の東日本大震災に伴う大きな変動(赤色矢印)も検出されています最新測量技術大紹介!VLBIVery Long Baseline Interferometry:超長基線電波干渉法※1 GNSS…GPS(米国)、グロナス(ロシア)、準天頂衛星(日本)、ガリレオ(EU)などを含む全球測位衛星システムの総称「宇宙から」「人の目で」つくばーハワイ基線長 5754940544.7mm

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