国土交通No.130
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9も電子基準点の観測によるものでした。次世代GEONET構築に向けて現在は、地殻変動情報を即時に提供するため、解析手法の高度化を図っているところです。地殻変動地域の把握、避難の初動支援、津波予測の高度化に貢献できるものと期待されています。またGPS以外の全球測位衛星システムへの対応も進め(マルチGNSS)、平成25年5月に全国で運用開始。これにより、都市部や山間部などで衛星測位が使えない場所電波の送受信で地表面の変動を監視「干渉SAR」は人工衛星からマイクロ波を地表へ照射し、その反射波から地表面の変動を監視する技術です。同じ地域を異なる角度から複数回観測し、データを比較・解析することで、地表の複雑な変動を捉えることができます。送信されるマイクロ波は可かしこう視光などに比べて波長が長く、雨や雲の影響を受けずに観測できるのが強み。また、衛星であるため、山や砂漠といった現地観測が困難な地域でも観測が可能です。世界最大級のGNSS連続観測システムを整備カーナビやスマートフォンアプリなど、さまざまなサービスに活用されている位置情報。この情報を発信するGNSSからの電波を受信する施設が「電子基準点」です。全国に20㎞間隔(東海・南関東では10㎞間隔)約1300カ所に設置。富士山頂や沖ノ鳥島にもあります。毎日、電子基準点間の位置関係がミリメートル精度で求められ、地殻変動の監視をしています。地震多発地帯にある日本は、世界最大級のGNSS連続観測システム(GEONET)を整備。情報は本院にある「つくば中央局」に集約され、30秒ごとの観測データをホームページにアップし、公共測量などにも利用されています。さらに1秒ごとのリアルタイムデータは民間事業者を介して提供され、工事現場やこれから紹介する「くにかぜⅢ」、MMSなどで活用されています。また地殻変動などの解析結果は防災機関に提供。東北地方太平洋沖地震の際、地殻変動により最大で東南東に5・3mずれ(下の図1参照)、1・2m沈下したことがわかったの11月22日の長野県北部を震源とする地震の解析結果平成26年5月に打上げられた陸域観測技術衛星2号「だいち2号」最新型の電子基準点より正確な国土の形を測る! GNSS干渉SARGlobal Navigation Satellite System合ごうせいかいこう成開口レーダー変ぼうする国土の管理と地図を作る現場地図と測量の技術大紹介!特 集を減らし、安定した高精度の測位を実現しています。VLBIやGEONETの技術も地図作りを支えているのです。©JAXA図1 東北地方太平洋沖地震(M9.0)による地殻変動(水平)☆固定局:福江(長崎県)基準期間:2011/03/01ー2011/03/08[F3:最終解]比較期間:2011/03/12ー2011/03/12[F3:最終解]「だいち2号」のデータを基に国土地理院が作成
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