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男性の職場で信頼を得るまでの長い道のり 海上コンテナの輸送サービスを行うグリーンエースには、二人のトラガールが在籍しています。彼女たちが運転するのは、コンテナを積んだ大型トレーラー。巧みにハンドルをさばいて全長16 mに及ぶトレーラーを自由自在に操るのは、トラガールとしてキャリアを積み19年目を迎える秋村妙子さんと、21年目の水口葉子さん。高い技術を必要とするトレーラーも昔の大型トラックに比べれば、ハンドルやブレーキの性能が改善されており、乗りやすいのだとか。ただ、コンテナを積載しているときの走行の不安定さやコンテ2tから4t、7t、10 tへと経験を積まなければならなかったそうです。また、女性というだけで技術がないと判断され悔し涙を流したことも。「つらい事もあったけど、取引先から優しく接してもらえるなど女性としての恩恵もあったので、苦労を乗り越えられました」と二人。今では会社の仲間はもちろん、本多康彦社長からも「始業点検や運転操作に関してとても細やか」と、太鼓判を押されるほどの信頼を得ています。長時間待機も時間の有効活用でストレスフリーに 彼女たちの出社は朝5時。始業点検、対面点呼、アルコール検査を行った後、ナの大きさで異なる車両の長さ・高さの感覚をつかむのは、長年の経験があっても簡単ではないそうです。 もともとは事務員だった水口さんがこの仕事に転職した理由は「大型トラックに乗る女性運転手を見てカッコいいと思った」から。秋村さんも「当初はタクシードライバーが目標だったが、運転技術向上とお金を稼ぎたかった」と、きっかけはシンプルでしたが、経験を積んでいくうちに、もっと大きなトラックに乗りたいという気持ちが膨らみ大型免許を取得。しかし現実は厳しく、大型車の免許を持っていても運転経験がない女性はすぐには雇ってはもらえませんでした。男性なら一足飛びで大型トラックに乗れるところ、トラクタ、トレーラーの連結作業を終え、関東圏内の目的地へ。輸送作業は基本1日2回。コンテナターミナルへの搬入待ちで、長時間待機を強いられることも少なくありませんが、時間を有効に活用している二人にストレスはないそうです。秋村さんは現在、搬入待ち時間を利用して船舶免許取得に向け勉強中。新婚の水口さんは、iPadで調べものや本を読み、時間を有効に使うことで家事と仕事の両立ができているそうです。「男性と同じ量の仕事をさせてもらえて、お給料も同等。そのやりがいと見合った対価に加え、時間を有効に使える今はとても幸せです」。そう語った二人の笑顔は仕事への誇りに満ちあふれていました。男女問わず仲間と同じ仕事ができる今が幸せ株式会社グリーンエースコンテナを積んだトレーラーは、全長16m、高さ最大4.1mに達する。この巨大な車両を自在に操り、定められた場所へぴたりと駐車する運転技術は、まるで手品のように鮮やかだ。秋村さんはコンテナターミナルへの搬入待ち時間を利用して、船舶免許やそのために必要な英語を勉強するのが今の楽しみ。いつかは飛行機の資格も学びたいと笑顔を見せる。“女性は運転が下手”はもう過去のこと。運輸業界で活躍するトラガールは男性と同等の戦力として現場で輝いています。トラガールが拓ひらく道

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