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04女性がイキイキと輝き、長く働き続けられる業界を目指して以前に比べ、近年は男女で職業の選択や働き方に差がなくなってきました。しかし体力面やライフサイクルに男女の差がある以上、企業や働く女性が越えなければならないさまざまな課題があることも事実です。いまだ〝男社会〞のイメージが強い建設業界や運輸業界において、女性活躍を推進している担当者に、課題や目標を聞きました。女性が働きやすい職場は誰もが働きやすい̶建設業界も運輸業界も共にまだ〝男性の職場〞というイメージが強いですね。木村 建設業における女性の割合は全体の3〜4%とかなり低いのが現状です。女性の就業者数がピークだった平成9年時点では約26万人いましたが、その後の景気後退による競争激化などによって、女性就業者数も減っていき、昨今は約10万人にまで落ち込んでいます。これを5年以内に倍増させようという目標を掲げ、業界と連携して女性活躍を応援するさまざまな取り組みを行っているところです。神澤 運輸、特にトラック業界も、女性ドライバーの割合が2・4%と極めて低く、中高年の男性ドライバーに大きく依存している状況です。昨年の消費増税前などには、物流が大幅に増えてトラックが足りないという事態が発生しましたが、いびつな就業者構成がこのまま続くと、同様の事態が今後恒常的に起こりかねません。そうした中で、女性ドライバー(トラガール)というのは非常に大きな戦力であり、トラック業界に新たな風を吹き込んでくれる可能性があると期待しています。実は、取得までに時間も費用もかかる大型免許を保有する女性は、全国に約13万人もいますが、このうち大型車のドライバーとして仕事をしている女性は約8千人しかいません。せっかく大型免許を取得していながら就業につながっていないということは、なんらかの要因があるのだろうと思われますが、それを解決することで女性ドライバーを増やしたいと考えています。̶女性の就業者が多くなると、どんな効果が出ると考えますか。木村 建設業でも若年者不足や高齢化が課題です。中長期的な担い手不足が懸念される今こそ、現場環境改善や働き方の見直しによる業界のイメージ土地・建設産業局建設業課課長補佐 木村よし子「もっと女性が活躍できる建設業行動計画」の策定に携わる。数ヶ月に一回、仕事を通じて知り合ったゼネコンや建設コンサルで活躍する女性で集う「けんせつ小町会」に参加。自らも二児の母として、周囲に支えられながら仕事と育児に奮闘中。子どもと共に、通りかかった工事現場のチェックは欠かさない。建設産業で働く女性がカッコイイhttp://genba-go.jp/know/woman/建設業で活躍中の女性、活躍したい女性を応援する総合ポータルサイト。建設業における女性活躍の応援女性のさらなる活躍を目指し、平成26年8月に国土交通省と業界団体で『もっと女性が活躍できる建設業行動計画』を策定。誰にでもわかりやすく『10のポイント』で紹介。① 建設業界を挙げて女性の更なる活躍を歓迎② 業界団体や企業による数値目標の設定や、自主的な行動指針などの策定③ 教育現場(小・中・高・大学等)と連携した建設業の魅力ややりがいの発信④ トイレや更衣室の設置など、女性も働きやすい現場をハード面で整備⑤ 長時間労働の縮減や計画的な休暇取得など、女性も働きやすい現場をソフト面で整備⑥ 仕事と家庭の両立のための制度を積極的に導入・活用⑦ 女性を登用するモデル工事の実施や、女性を主体とするチームによる施工の好事例の創出や情報発信⑧ 女性も活躍しやすい教育訓練の充実や、活躍する女性の表彰⑨ 総合的なポータルサイトにより情報を一元的に発信⑩ 女性の活躍を支える地域ネットワークの活動を支援H26.8.22 国土交通省・建設業5団体策定もっと女性が活躍できる建設業行動計画(10のポイント)女性技術者・技能者の5年以内の倍増を目指す
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