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08子育てと両立しながら技術者の腕で勝負 平成26年、星野さんはボード施工一級技能士の試験に県内トップの成績で合格し、同時に優秀賞を受賞しました。「やはり自信になります。女性でもしっかり仕事ができることのアピールにもなりました。男性と張り合うというよりは、皆さんに娘のようにかわいがっていただきながら、これからも恥ずかしくない仕事をしていきたいです」と語ります。 星野さんの毎日は、朝7時に1歳3ヵ月の長女を保育園に預けるところから始まります。それから現場に向かい、夕方5時頃まで仕事。現場の場所によっては朝礼が始まる8時に間に合わないこともありますが、周囲は子育てとの両立に理解を示してくれています。 「正直に言えば、出産後は仕事を辞めようかと悩みました。でも、周りの方々が〝戻っておいで〞と言ってくださったので、復帰できました」。技術を習得し、いろいろな会社から請け負う形で仕事をするので、腕が勝負の世界です。会社勤めなどよりも、実は復帰しやすいのかもしれません。もっと多くの女性に建設業の魅力を 星野さんは、小学生の頃に手抜き工事のニュースを見て、建設関係の仕事に興味を持つようになりました。「自分ならもっと丁寧にやるのに」その思いから、内装工事をやっていた友人のお父さんの下で技術を学び、今では一人前の技術者として活躍しています。 生き生きと働く姉の背中を追って、妹の篠原絵えれな玲菜さんも同じ世界に入りました。姉妹の願いは、内装工事に女性技術者の仲間がもっと増えること。腕力の部分で男性にサポートしてもらうこともまれにありますが、ほとんどは女性でもこなせる仕事です。星野さんも今では、1枚12㎏以上もある石せっこう膏ボードを2枚同時に運べます。 「仕上げ材をきれいに貼る仕事が好きです」と楽しそうな星野さんが、親方として女性チームを率いる日も近いかもしれません。目指せ! 女性の親方星ほしのゆうな野優奈さん建物の骨組みに壁や天井の下地を取り付けるボード施工。その一級技能士の資格をわずか26歳で取得し、現在、千葉県の三好フローリング株式会社から仕事を請け負っている星野優奈さんにお話を伺いました。優れた技術者を大切にしたい三好フローリング高橋利幸代表取締役いま、技術者の数は多くありません。高い技術を持つ星野さんのような女性には、ぜひ仕事を続けてもらえるよう、勤務時間や環境改善でもサポートしたいと思います。今後は建設マスターも視野に、ますます技術を磨いてもらいたいですね。1 正確かつ素早く石膏ボードを骨組みに貼る作業。技術の差が仕上げの美しさに出る。2 親方と星野さん、妹の篠原絵玲菜さん。4つ年下の絵玲菜さんは、仕事を始めて2年目。3 家に帰れば優しいママの顔に。123
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