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09ゼムケンサービスは北九州市の建設会社。『オモイをカタチに 建築は統合芸術』を経営理念にユニークな経営で注目されている。女性は人とつながることで自分の成果を実感できる ゼムケンサービスの代表取締役を務める籠田さん。建設業界に「女性力」という新しい風を吹き込み、注目を浴びています。女性力とは、場の雰囲気を明るくすることや、周りへの気配りができること。女性は何を必要とされ、どうすれば喜ばれるのかを考え、色や香りのような感性の部分も大切にします。 ゼムケンサービスでは女性建築デザインチーム(略称:JKDT)を結成し、「リビングにランドセル置き場を作ると、子どもが散らかす原因がなくなる」「読み聞かせを大切にするから、寝室へ行く途中に絵本の置き場を」といった、それぞれの家庭のストーリーを大切にした設計を実践しています。 「女性は昔から人とつながることを喜びとし、それを仕事の成果にしていくことが得意です。お客さまや仕事仲間とつながることが大事。思いの共有が顧客満足・従業員満足を両立させ、それが業績にも反映され、会社もとっても満足です」と籠田さんは笑います。男性とも手をたずさえ女性力は「男女共創」へ ゼムケンサービスに女性が占める割合は6〜7割。ワークシェアリングを取り入れ、それを会社の強みにしてきました。ワークシェアリングが成功したのは、みんな子育てや介護などを背負う〝ワケあり〞だったから。それぞれの背景を、籠田さんも含めてさらけ出し、家族のように理解し合える関係を築いています。 ただし、女性が集まるだけで女性力が発揮できるわけではありません。「私が〝建設業界のジャンヌ・ダルク〞として業界変革に奔ほんそう走しているように、社員にも強みを端的に示すアピールポイントが必要です」と、一人ひとりの個性を見極めた人材の構築も積極的に進めています。 女性力で成長してきたゼムケンサービスですが、これからは一歩先に進んで「男性力」にも期待しています。女性力は男性が引き出し、男性力は女性が引き出すもの。どちらかに偏らず、お互いの力を引き立て合う「男女共創」を見据える籠田さん。時代の流れを読みながら、新たなステージへと歩みを進めています。すべての男女の力が生きる職場籠こもりた田淳じゅんこ子さん平成27年1月に内閣府から「女性が輝く先進企業表彰・内閣府特命担当大臣表彰」を受けた北九州の有限会社ゼムケンサービス。女性ならではの視点を強みに、女性中心の建設会社を経営する籠田淳子さんを訪ねました。特集輝く女性の力ゼムケンサービス代表取締役の籠田淳子さん。父が営む工務店で、幼少期から多くの職人さんたちと付き合ってきた。一級建築士・インテリアプランナーなど、多数の資格を保有。北九州市ワークライフバランス市長賞・内閣府女性のチャレンジ賞・ダイバーシティ経営企業100選ほか、多数受賞。三郎丸団地集会所移転新築工事の現場代理人として指揮を執る、一級建築士の根本かおりさん。小学校6年生の女の子のお母さんで、男性の現場監督がアシスタントについてワークシェアリングをしている。ユニークな「しきたり」に表れたゼムケンサービスの社風● 11:30~13:00にみんなで楽しく食事。● 夕方社員の子どもが下校してきたら、子どものおなかはすかせない。● 22:00~5:00は仕事をしない。● 子どもの学校行事は積極的に参加。● 現場は妥協のない清潔さを保ち、事故のない環境をつくる。 (一部を抜粋)
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